Project/Area Number |
23KJ1526
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 14010:Fundamental plasma-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 大裕 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ナノワイヤーアレイ / 超高エネルギー密度状態 / X線自由電子レーザー / レーザー生成プラズマ / 高エネルギー密度科学 |
Outline of Research at the Start |
ナノワイヤーアレイは、超高温・超高密度状態である超高エネルギー密度状態の生成源として近年注目されている。一方でナノワイヤーアレイ中でのエネルギーの吸収や輸送はいまだ不明な点が多かった。本研究では、理化学研究所の保有するX線自由電子レーザーSACLAを活用した計測により、直接形成された超高エネルギー密度状態を捉えそのエネルギー吸収・輸送機構を明らかにする。さらに、解明したメカニズムをもととして、超高エネルギー密度状態生成に関するナノワイヤーアレイの空間スペックやレーザーの諸条件などの最適化も併せて実施する。また、実験に必要な高品質ナノワイヤーアレイの開発・作成も行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、①超高エネルギー密度状態生成用高品質ナノワイヤーアレイの開発及び②超高強度レーザー照射ナノワイヤーアレイへのX線自由電子レーザーSACLAによる超高速時間分解計測、の2項を実施することができた。 ①項については、陽極酸化アルミニウムをテンプレートとするボトムアップアプローチを活用したナノワイヤーアレイの作成方式の開発を行った。後述する②項での実験に向けたターゲット作成を通じてこれら技術の向上に成功した。具体的にはナノワイヤーアレイの直径や配列をコントロールするために、テンプレートとなる陽極酸化アルミニウムの合成条件を探索した。これらの成果は現在論文にまとめており、令和6年度中の投稿・採録を目指している。 ②項については、①項で培ったナノワイヤーアレイ作成技術をもとに作成した異なる空間パラメーターを有するナノワイヤーアレイに対して超高強度レーザー照射実験を行い、超高速時間分解計測を実施した。実験ではSACLA保有の500 TWレーザーをナノワイヤーアレイに対して照射し、その後時間差をつけてXFELを照射した。XFELの照射によって得られた2次元シャドウグラフ像から超高強度レーザーによる加熱領域を評価することができた。上記の超高速時間分解計測を通じて、ナノワイヤーアレイの空間パラメーターごとの異なる挙動を観測することができた。得られた実験データは現在解析中であり、その成果に関しては都度国際・国内学会で報告を行っている。 上記成果に加えて本研究計画と並行して行っていた、ナノワイヤーアレイへのピコ秒キロジュール級レーザーの研究成果をまとめた論文をAIP Advances誌上にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度において、当初計画していたナノワイヤーアレイの作成工程の確立についての研究を行い、ナノワイヤーアレイの空間パラメーターのコントロール手法などを開発した。 さらにX線自由電子レーザーSACLAを活用した、超高強度レーザー照射ナノワイヤーアレイの超高速時間分解計測を実施することができた。実験結果からナノワイヤーアレイの空間パラメーター(密度・ワイヤー直径・ワイヤー長さなど)に起因すると考えられる加熱領域の差異など、レーザーエネルギー伝搬における空間パラメーターの影響を観測することができた。本項目は当初令和6年度の実施を目安にしていたが、予定より早く着手することができ、おおむね順調に進行しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度はナノワイヤーアレイの作成手法の開発・改良を引き続き行うほか、X線自由電子レーザーSACLAを活用した超高速時間分解計測を主眼において研究を進める。 ナノワイヤーアレイの作成工程改良については空間パラメーターの拡充に向けた、陽極酸化アルミニウムの合成条件の探索を続ける。加えて、ナノワイヤーアレイの材質の種類も拡充するために電解・無電解めっき法の条件出しなどを行っていく。 X線自由電子レーザーを用いた超高速時間分解計測については、令和6年度もマシンタイムが採択された。令和6年度は令和5年度の成果をもとにさらなるデータ取得を狙う。さらに、得られた実験結果を詳細に検討するための数値シミュレーションの実施も検討している。 以上を通して、ナノワイヤーアレイ中でのレーザーエネルギー輸送に関する知見を得ることを目標とする。
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