Project/Area Number |
23KJ1534
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61020:Human interface and interaction-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐久間 洋司 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2025: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | バーチャルビーイング / アバター / エージェント / 人工知能 / バーチャルリアリティ / ヒューマンコンピュータインタラクション |
Outline of Research at the Start |
アバターとしてもエージェントとしても利用可能な身体的存在である「バーチャルビーイング」を、コミュニケーションの支援や相互理解のために応用する。具体的には、他者のアバターを操作してロールプレイすることによるプロテウス効果の拡張、自己の振る舞いを学習して自律的に振る舞うエージェントの観察などを通じて、他者理解や自己認知を促進することを目指す。それらの研究を通じてバーチャルビーイングのモデルと応用の可能性を整理する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、遠隔地へ本人のアイデンティティを提示・維持するバーチャルビーイングのシステム開発と効果の検証である。それによって自己と他者それぞれの視点から見た自分の存在感を理解することを目指している。ユーザの動作を表象するアバターとしても、ユーザの働きを代替するエージェントとしても扱うことのできる共通の身体、その中でも特に現実空間での身体を持たないものを「バーチャルビーイング」と呼ぶ。そのような媒体としてのバーチャルビーイングについて、他者から見て一貫性を持ったアイデンティティを提示できているか、自己から見て自分の延長であると感じられるようなアイデンティティを維持できているかが重要になる。 具体的な課題に分割すると、あるアバターの身体動作やチャットを本人らしい自動生成に代替したとき、あるいは他のユーザによって操作されたとき、それが本人らしいアバターであると対話相手に認識されるのはどのような条件によるのか。あるエージェントが事前にユーザから与えられた原則に基づいてチャット形式の対話を代わりに行い、その結果を要約して報告するようなシステムをつくった場合、ユーザ本人や対話相手がそのエージェントを自分らしいと感じるのはどのような条件によるのかなどが問われる。 今年度はバーチャルビーイングをさまざまな実験環境で操作するためのモデリングや実装、およびバーチャルビーイングの現状や需要に関する共同のアンケート調査などを行なった。モデリングについては、3Dモデルを複数のプラットフォームや独自の実験環境で使用できる形で実装を行い、2DモデルについてはLive2Dで利用可能な形で実装を行なった。その他、国内外の比較を含むバーチャルビーイングやユーザのオンラインの活動に関する現状やバーチャルビーイングの需要に関する共同のアンケート調査を行なって結果の分析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に予定していたモデリングや実装については、3D・2Dで共通するプロフェッショナルなクオリティのモデルを制作することができ、それらが複数のプラットフォームで動作することを確認できた。没入型バーチャルリアリティ環境において他者のアバターを用いた没入的なロールプレイを行うことにより、パーソナリティが近づいたりエピソードに共感したりする効果が認められた研究成果については、予定通りの成果発表等を行った。 また、バーチャルビーイングの社会における受け入れについて共同のアンケート調査を行うことができた。国際比較により日本はバーチャルビーイングへの理解度が高い一方、それを通じた他者との相互理解の可能性等についてはポジティブな意見とネガティブな意見が拮抗しており、翌年度以降との比較も行なっていきたいと考えている。 これらに加えて、人工知能学会の産業界連携委員としてインダストリアルAIシンポジウムの運営に携わり、生成AI時代におけるバーチャルビーイングの可能性を検討するために二つの企画セッションで発表を行った。その他、バーチャルビーイングに関する特集号を人工知能学会誌で企画・編集を担当し、論文と記事を三本寄稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、広く社会に受け入れられるバーチャルビーイングの可能性を研究するという観点のもと、市場において最も実用的に受け入れられているバーチャルビーイングであるバーチャルYouTuber(VTuber)の身体を2D/3Dともにモデリングし、それらを操作・配信することができる環境を構築した。来年度はこれらのシステムを使った自己の視点から見たエージェントの存在に対するアイデンティティの一貫性の検証、および他者の視点から見たアバターの存在に対するアイデンティティの提示に関する参加者実験を進めていきたい。
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