Project/Area Number |
23KJ1586
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61010:Perceptual information processing-related
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐賀 健志 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 思考障害 / 言語特徴量 / 統合失調症 / SPQ |
Outline of Research at the Start |
思考障害はまとまりのない思考や噛み合わない対話などの深刻なコミュニケーション障害を引き起こす精神疾患症状である。高速な客観評価手法の実現にむけて「事前学習済み深層学習モデルによる埋め込み表現を用いた自動評価」や「構文情報を用いた自動評価」など自然言語処理を利用した手法が提案されてきたが、いずれも思考障害を包括的に評価するには不十分だった。そこで本研究ではこれらの自然言語処理技術を組み合わせた多角的な定量評価アプローチによって思考障害の包括的な自動定量評価手法の確立を目指す。また、自記式質問紙とクラウドソーシングを組み合わせて大規模データセットを構築し、手法比較を行うことで各種特性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自閉症や統合失調症には共通して支離滅裂な発話等の思考障害が確認される。この思考障害傾向の評価はこれまで医療従事者のチェックシートに沿った主観に基づいて行われてきたため、定量的な計測と患者間の比較に限界があった。そこで本研究では定量評価手法の確立を目指して新たに思考障害ラベル付きの音声発話データセットを収集し、定量評価可能な言語特徴量と思考障害傾向との関係性について特性分析を行った。 音声データセット収集では健常者を対象とし、各データにはSchizotypal Personality Questionnaireを思考障害傾向ラベルとして付与した。発話時間とテーマの影響も調べるため、「30秒」「60秒」「180秒」の3条件、「一番大きな失敗」「ネガティブな記憶」「最近見た夢または好きなこと」の3条件、それらを組み合わせて合計9条件のデータ収集を行い、自動特徴量による思考障害傾向の定量評価を試みた。また、関連研究領域の発展に資するためにデータセットの公開も行った。本研究ではクラウドソーシングによる匿名化済みのデータを収集・公開することでプライバシー保護とデータの自由利用を両立させ、同一データセットに対して先行研究の特徴量を同時に算出することで思考障害傾向との関連性について比較検討を世界に先駆けて実現した。 機械学習モデルによる傾向スコア推定性能を比較したところ、ネガティブな記憶が思考障害傾向の発話への表出を最も誘発していることが示唆された。発話長が与える影響については、長くなれば長くなるほど思考障害傾向を誘発していることが示された。さらに特徴量ごとの有効性を比較するために行ったアブレーションの結果、概略的言語特徴と時間的言語特徴が思考障害傾向推定において重要であることが確認された。
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