Project/Area Number |
23KJ1653
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 32020:Functional solid state chemistry-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
加藤 智佐都 広島大学, 先進理工系科学研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 単分子誘電体 / ポリオキソメタレート |
Outline of Research at the Start |
有機化学合成において,分子キラリティの制御は非常に重要である。しかし現在,「光学的に純粋な化合物を合成・分離するには,別の光学活性化合物が必要」という重大な課題がある。そこで本研究では,申請者自身が発見した「単分子誘電体」の分子内イオン移動を利用することで,電場によってラセミ体から任意のエナンチオマーに変換可能なキラルスイッチング分子の開発を目指す。本研究によって,自然界の光学活性物質に頼ることのない,新しい不斉合成技術の創出が可能になると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では初めに,P5W30O110の構造式で表されるプレイスラー型POMについて,骨格を構成するタングステンのうち一つがモリブデンに置換されたMo一置換プレイスラー型POM,P5MoW29O110の合成を行った。合成は既に報告されている方法に従って行い,得られた黄色結晶の単結晶X線構造解析から目的物が得られたことを確認した。また,空洞内には一つのナトリウムイオンと一つの水分子が存在していることが示唆された。 次に,得られたMo一置換プレイスラー型POMを用いて,水熱合成による内包イオンの交換を行った。得られた黄色結晶について単結晶X線構造解析を行った結果,Tb3+イオンを内包したMo一置換プレイスラー型POMであることが示唆され,Tb3+イオンの安定サイトはPOM分子内空洞の上下2ヵ所に存在することが明らかとなった。この結果より,この分子は「単分子誘電体」と同様に,内包イオンが分子内の安定サイト間を移動することが期待できる。 一方で既報では,Mo一置換プレイスラー型POMはPOM骨格のBelt位にモリブデンが存在すると報告している。そのため,Tb3+イオンを内包したMo一置換プレイスラー型POMにおいて,内部のテルビウムイオンの位置が移動するとキラリティが変化すると期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目標は,分子内イオン移動によるキラリティ反転が可能な分子の探索と合成であり,前述したMo一置換プレイスラー型POMの合成および構造解析に成功していることから,おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,テルビウムイオンを内包したMo一置換プレイスラー型POMについて,電気測定による分子内イオン移動の確認とそれによるキラリティ反転の確認,さらに電場によるキラリティ制御を目指す。 また,本年度で得られたMo一置換プレイスラー型POM以外の分子内イオン移動によってキラリティが反転する分子の開発を目指し,配位子合成を行う。
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