Real-Time & Generalizable Flood Simulation Emulator using Numerical Analysis and Machine Learning
Project/Area Number |
23KJ1685
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
出口 翔大 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 科学機械学習 / 機械学習 / PINN / 逆解析 / 固有直交分解 / 距離関数 |
Outline of Research at the Start |
地球規模の気候変動により,100年確率の豪雨に相当する日降水量200㎜以上の年間日数が急増し,河川氾濫などの豪雨災害が頻発化・激甚化している.本研究では河川氾濫災害に対し,物理的支配原理を埋め込んだ機械学習PINNと,有限要素法解析に用いる離散化メッシュを数学的グラフと捉えて学習に用いるGNNを用いることで,数値解析と同等の精度を保ちつつ100倍以上高速に解析が可能な「外挿予測型・リアルタイム氾濫解析エミュレータ」の開発を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
激甚化する豪雨災害などに対して,数値解析を用いた予測が発展しつつある.一方,大規模解析は高い計算資源を要求すること,観測可能量から観測不能量の抽出が難しいことなどから,機械学習を用いた課題の克服に取り組んだ.具体的には,以下の3項目の基盤技術を開発した. 1.固有直交分解を介した特徴量抽出と機械学習の融合:流体の運動には,多くの場合,運動を支配する固有なモードが存在する.本研究では,円柱周りの流れを固有直交分解することで主要なモードの特性を考慮した上で,物理法則を導入した機械学習モデルPINN(Physics-Informed Neural Network)を用いることで,観測可能量から観測不能量を推定する逆解析において精度の向上を達成した.本項目は,査読付き国内誌に掲載した. 2.物理問題の評価に特化した機械学習手法の開発・検証:機械学習モデルPINNは,「データの特徴を捉えているか」という機械学習本来の学習に「物理法則を満足しているか」という物理的要請に基づく正則化を加える.一方,正則化の強さをどの程度にすべきかの指針が不明瞭であった.本研究では,正則化の強さを学習過程で柔軟かつ動的に定める方策を提案し,複数の物理問題で有効性を検証した.本項目は,査読付き国際誌に掲載した. 3.物理的要請を厳密に満たした機械学習手法の導入:PINNのもう一つの問題として,境界条件を厳密に満足できない点が挙げられていた.本研究ではCG分野で提案された距離関数を,機械学習モデルにおける境界条件の付与に利用し,これを満足するモデルを実装した.これにより,物理的要請を満たしたモデルの構築が可能となり,信頼性の高いモデルへと昇華することができる.本項目は,次年度以降も継続して開発を進め,国際誌への投稿の準備を進めつつある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載の項目1,2については,それぞれ国際誌,国内誌へ掲載しており(どちらも査読付き),項目3についても,既に査読付き国際誌への投稿の準備を進めている.また,国内外の学会発表にも複数参加しており,物理現象をシミュレートする機械学習モデルを構築するための基盤技術の開発を推し進めることができている. 研究実施計画に記載のPINNの河川流への適用については,当該分野の先行研究のレビューと現地観測を終えている.また,学習における基盤技術の整備が進み,当初の計画に含んでいた河川流への適用可能性を検証するための準備は十分に整いつつある. 研究実施計画内のGNN(Graph Neural Network)や有限要素法ソルバーADCIRCとの融合に関しては未着手であるものの,各項目に関する次年度の研究計画が具体化しつつあり,本研究は概ね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,「研究実績の概要」の項目3について,査読付き国際誌への投稿することを計画している.同手法を応用,拡張することで,河川流への適用可能性を検証し,その際の課題の明確化と克服を検討する. ただし,同項目は極めて重要であるものの,本来計画外の事象であったため,GNNや有限要素法との融合については若干の遅れが生じていることは否めない.「数値解析を代替するエミュレータ開発」という最終目標に向け,PINNと類似した構造を持つ新たな機械学習モデルDeepONet(Deep Operator Network)の導入へ起動修正することも視野に入れつつ開発を推し進める.
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)