Project/Area Number |
23KJ1697
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北出 一季 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脊髄損傷 / 新生仔 / Olig2 |
Outline of Research at the Start |
新生仔マウスの脊髄は成体に比べ再生能が高いことが知られているが、その分子生物学メカニズムには不明な点が多い。我々はこれまでに、新生仔では脊髄損傷後の炎症反応の病態が成体と異なり、その結果軸索再生阻害因子であるグリア瘢痕が形成されず、軸索が旺盛に再生することを明らかにした。更に、新生仔では脊髄の再生に先立ち転写因子Olig2を高発現する細胞が損傷部で増加するという興味深い現象を発見した。そこで、本研究では新生仔の脊髄再生においてOlig2陽性細胞が果たす機能を解明し、成体の脊髄損傷に対する治療応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
新生仔における脊髄再生メカニズムを解明するため、生後2日目の新生仔マウスを用いた脊髄損傷モデルを独自に開発し解析した。新生仔では損傷後慢性期にアストロサイト性のグリア瘢痕形成が見られないだけでは無く、損傷部を越える豊富な神経軸索の再生と極めて良好な歩行機能回復が起きていた。同時に、新生仔では成体マウス同様に一旦は損傷部のニューロンが死滅するものの、数日の間にニューロンが急増することが明らかとなった。更に、このニューロンの増加に先立ち、転写因子Olig2を高発現する細胞が損傷中心に多数存在する、という新生仔特有の現象を発見した。一般に、Olig2はニューロンの髄鞘化を担うオリゴデンドロサイトの細胞マーカーとして認知されているが、一部の未分化な細胞にもOlig2は発現し、運動ニューロンへの分化に関与することが分かった 。つまり、新生仔の損傷脊髄に経時的に増加したニューロンは、Olig2陽性細胞から分化したニューロンである可能性がある。また、Olig2は特定の未分化な細胞でJAK-STAT3経路を阻害し、グリア瘢痕の構成要素であるアストロサイトへの分化を抑制する作用も有していることが知られている。これらの事実から、新生仔ではOlig2の働きにより脊髄内在性細胞からアストロサイトへの分化が抑制され、ニューロンへの分化が促進されることで無瘢痕性の脊髄再生が起きている可能性が考えられた。そこで、Olig2プロモーター下流でタモキシフェン依存的にCreを発現するOlig2-CreERマウスを導入し、Cre依存的に蛍光タンパクEGFPを発現するマウスと交配させ、任意の時期にOlig2陽性細胞を蛍光標識できるマウスを作成し、現在Olig2陽性細胞のFate mappingを行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Olig2陽性細胞のFate mappingに必要な遺伝子組み換えマウスの産出に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度末に目的とする遺伝子組み換えマウスの産出に成功した。現在新生仔マウスの損傷脊髄におけるOlig2陽性細胞のFate mappingを実施している。 Olig2陽性細胞が新生仔でニューロンに分化していた場合、機能回復に寄与しているかどうかをDREADD systemを用いて検証する。
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