| Project/Area Number |
23KJ1702
|
|---|
| Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
|---|
| Section | 国内 |
|---|
| Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
|
|---|
| Research Institution | Kyushu University |
|---|
Principal Investigator |
小林 大輝 九州大学, 総合理工学府, 特別研究員(DC2)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
| Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
|---|
| Keywords | プラズマ乱流 / トモグラフィー計測 / 構造形成 / 対称性の破れ |
|---|
| Outline of Research at the Start |
近年、プラズマ乱流は「不均一」かつ「大域的」であることが明らかになり、大域計測の必要性が高まっている。そこで本研究では、トモグラフィーを用いた大域計測を行うことで明らかになったプラズマの定常的な構造(背景構造)の非対称性とプラズマ乱流の空間構造の歪みの関係を、両者の非線形結合モデルを考え実験データと比較・検証することで明らかにする。また、背景構造の非対称性の影響でプラズマ乱流の空間構造に変化が生じればプラズマ輸送にも多大な影響が生じることが予想される。そこで、プラズマの熱・粒子輸送の評価も同時に行うことで、背景構造に非対称性が乱流変動を介してプラズマ輸送に与える影響を明らかにする。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではトモグラフィーによるプラズマ断面の全体計測とプローブ計測による輸送評価により、プラズマの定常的構造の非対称性が空間パターンおよび輸送に与える影響を明らかにするものである。本年度は、定常的な構造の非対称性が空間パターンに与える非線形効果についての調査を行った。トモグラフィー計測により、孤立波振動の決定論的パターンは回転とともに対称性が破れ歪んでいくことが観測されている。一方、時間平均したプラズマの定常的構造、すなわち振動が起きる背景にも非対称性が存在し、この非対称性がパターン変形の要因と考えられる。また、孤立波振動は位相速度が同一のモードが電子反磁性方向に回転していることが知られ、厳密に回転対称である円筒プラズマにおける現象であればアンサンブル平均を行うことで蓋然性を除いた決定論的パターンは回転対称であるはずである。この前提のもと、フーリエ・ベッセル関数を用いたモード構造解析やフーリエ解析、偏光解析による振動パターンと背景の非対称性の周方向モード数mおよび周波数ωでのモード分解を行い、決定論的パターンの変形と背景構造の非対称性の関係を調べた。その結果、決定論的パターンの変形を定量化することに成功し、I）パターンの変形はイオン反磁性方向に回転するモードや高調波モード(位相速度が同一)以外の非高調波モード(位相速度が異なる)の出現により記述されること、II）イオン反磁性方向に回転するモードや非高調波モードは高調波モードと背景非対称性の非線形結合により出現可能であること、III）高調波モードと背景非対称性の非線形結合では対称成分も出現することが判明した。ここで示す定常的構造(ω=0)と揺動モード(ω≠0)の非線形結合過程はトモグラフィー計測による全体計測により初めて見出されたものである。これらの結果をEPSにて発表した。また、論文としてまとめ現在投稿中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トモグラフィー計測により得られた孤立波振動から抽出した決定論的パターンの変形とプラズマの熱・粒子輸送との関係を調査するための電子密度・温度・空間電位計測はできていない。一方で、トモグラフィー計測にて得られた決定論的パターンの変形をフーリエ・ベッセル関数およびフーリエ・矩形関数を用いて定量化することで、パターン変形がイオン反磁性方向に回転するモードや位相速度の異なる非高調波モードの出現により記述されることを示した。また、それらがプラズマの定常的構造の非対称性と高調波モードの非線形結合により出現可能であることも、単純な代数モデルを用いることで示した。このような定常的構造(ω=0)と揺動モード(ω≠0)の非線形結合過程はトモグラフィー計測により初めて明らかになったものであり、現在論文としてまとめScientific Reportsに現在投稿中である。
|
| Strategy for Future Research Activity |
今後は、PANTA装置において熱・粒子輸送を評価すべくプローブ計測による電子密度・温度・空間電位の同時計測を行なっていく。また、同時にトモグラフィーによるプラズマ断面全体の空間構造計測も行うことで、熱・粒子輸送と空間パターンの関係の調査を行う。前年度得られた結果を踏まえて、空間パターンの変形を介した背景構造の非対称性とプラズマの輸送の関係について明らかにする。
|
