イリジウム酸化物における電気トロイダル多極子秩序の実証
Project/Area Number |
23KJ1750
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13030:Magnetism, superconductivity and strongly correlated systems-related
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
花手 洋樹 九州工業大学, 大学院工学府, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 電気トロイダル秩序 / イリジウム酸化物 / 共鳴X戦散乱 |
Outline of Research at the Start |
多極子自由度が活性となるとき、それに対応した特有の交差相関応答が現れることが知られている。つまり、新しい多極子自由度が活性となるとき、これまでにない交差相関物性が現れ、省エネデバイス等への応用が期待される。我々はイリジウム酸化物Ca5Ir3O12に着目し、この物質が電気トロイダル秩序を示すことを明らかにしてきた。本研究では、電気トロイダル秩序に直接関与していると考えられるイリジウムの5d電子状態の情報を直接観測できる共鳴X線散乱を行い、電気トロイダル秩序を微視的に理解することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイリジウム酸化物Ca5Ir3O12が示す電気トロイダル多極子秩序の軌道の秩序構造の解明を目的としている。一年目となる本年度では国内外において放射光のビームタイムを獲得することができたので、純良な単結晶試料の合成ではなく、放射光を用いた測定を行った。高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーで共鳴X線散乱を3回、フランスのEuropean Synchrotron Radiation Facility(ESRF)で共鳴非弾性X線散乱を行った。 共鳴X線散乱実験からはIrのL3吸収端に加えてL1、L2吸収端での測定も行い、L3吸収端での測定が一番共鳴効果が大きいことを確認した。また、試料のセッティングの都合上アジマス角依存性を測定することが困難だったため、同様の結果が得られる偏光依存性を調べた。偏光依存性を調べるにはこれまで実験してきたものとは異なるセットアップでの実験が必要になるため、今年度では実験のセットアップの確認やそのセットアップでの超格子反射の確認を行った。 本研究は一年目で辞退となったため、当初の最終目標である電気トロイダル多極子秩序の軌道の秩序構造の解明までは至らなかった。一方で、本年度では秩序構造の解明のための下準備である共鳴非弾性X線散乱により初めてデータを取得し、共鳴X線散乱で偏向依存性を調べるための実験のセットアップを確立した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)