Project/Area Number |
23KJ1818
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
長坂 真衣 名古屋市立大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | c-Myc / 上皮間葉転換 |
Outline of Research at the Start |
がん原遺伝子c-Mycの高発現は、広範ながん種における予後不良因子であることが報告されている。c-Mycによるがんの転移促進作用においては、上皮間葉転換(EMT)の関与が示唆されている。EMTとは、上皮系の細胞が間葉系形質を獲得する現象であり、浸潤・転移をはじめとしたがんの悪性化に大きく寄与している。本研究では、EMTを起こしたがん細胞の生体内動態を可視化できるイメージングシステムを構築し、c-MycによるEMT誘導機構において、重要な役割を果たす因子を明らかにする。本研究成果は、c-Mycが高発現するがん種を標的とした、がん転移を予防または克服する薬の創造的開発に貢献することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
古くから腫瘍化因子として知られるc-Mycはがんの転移促進作用も併せ持ち、その過程には上皮間葉転換 (EMT) が重要な役割を果たすことが示唆されている。EMT研究における課題としてin vitroおよびin vivoで得られる研究結果に乖離が生じることが挙げられ、生体内での腫瘍の時間空間的多様性を考慮した研究がその問題解決に必要である。本研究では、in vitroにおいてc-MycによるEMT誘導機構を明らかにするとともに、個体レベルでEMTを起こしたがん細胞の生体内動態を可視化できるin vivoイメージングシステムを構築し、c-Mycにより誘導されるEMTの生体内動態を継時的かつ俯瞰的に解析することを目的とした。in vitroにおけるc-MycによるEMT誘導機構の解析では、間葉系マーカーVimentin (Vim) レポーターを用いて、EMTを蛍光可視化可能な細胞株A549とNMuMGを樹立した。A549/Vim-RFP細胞にc-Mycを安定的に発現させ、ウエスタンブロット法やRT-PCR法などの手法を用いてEMTとともに変動する因子を探索したところ、いくつかの候補因子を見出した。その過程で、A549細胞の遊走性制御に寄与し得る因子としてID3を見出したため、ID3の機能解析も並行して実施した。A549細胞においてID3をノックダウンし、遊走能及び転移能変化を評価したところ、ID3が肺がんの転移抑制に寄与することが示唆された。さらに、ID3はがん抑制遺伝子産物p53の新規標的遺伝子であることを明らかにし、論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標として、(1) in vitroにおけるc-MycによるEMT誘導機構の解析、(2) EMTイメージングシステムの構築を予定していた。(1)については順調に進んでおり、(2)については若干検討が遅れているものの、全体としてはおおむね順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初掲げた計画に沿って、本年度はEMTイメージングシステムを用いた検討等により、c-MycによるEMT誘導機構に寄与する因子についての解析を引き続き進め、発展的な成果としてまとめることを目指す。
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