Development of weather data for extreme climate in the design of building environment and HVAC equipment
Project/Area Number |
23KJ1840
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
焦 志超 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 設計用気象データ / 同時生起確率 / 極端的な気象要素 / Vine copula / 極値降水量 |
Outline of Research at the Start |
建築環境に影響の大きい外気温度・日射量、および絶対湿度など複数の気象要素時刻別のデータを対象に、常態と異なる異常気象を抽出し、相互の関係性を解明し、異常気象に対応した標準年気象データおよび一日の設計用気象データの整備を行う。その際、極値統計で各気象要素の期間内異常値が起こる頻度を解析し、複数の確率変数の間の相互関係をモデリングするための手法ヴァイン・コピュラを用いて同時生起確率分布を推定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) 同時分布モデルの構築:より適切な設計用気象データを作成するために、複数の気象要素の同時生起確率を厳密に考慮した設計用気象データを生成する方法が必要である。3つの気象要素の同時分布を構築するため、copulaを拡張したvine copulaを導入し、各気象要素間の依存性を代表できる2次モデルを同定した。各要素の分布をそれぞれ単一の分布で表現することが困難なので、K 次混合正規分布として近似することを考える。推定された混合正規分布の裾の部分に、各気象要素の極端的な異常気象の分布特性が宿っている。そこで、copulaで各気象要素間の依存関係を内包させ、得られた混合ガウス分布とコピュラを用いて3つの気象要素の厳密な同時分布モデルを作ることができた。 (2) 同時生起確率による設計用気象データ:構築した同時分布モデルに基づき、3要素の年間同時生起確率0.4%による設計用気象データの生成法を提案した。0.4%の年間発生率は、極端な気象条件を代表していると言える。得られた結果から、提案した設計用気象データは従来のデータより適切で、設計値が減少していることが示された。さらに、多用途の建物の空調設計容量と室内の温度危険率の観点から提案した気象データの妥当性も確認した。 (3) 極値降水量の経年変化:極端な降水はまず独立した気象事象として分析された。8都市における過去100年(1921-2020)間の極端な降雨の変動を検討し、再現期間100年で推定されたリターンレベルと現既存の降雨量基準を比較した。結果から、名古屋と福岡地点のリターンレベルは、それぞれ24.4mm/hと13.4mm/hで対応する基準値を超えている。この結果は、現行の最大降水基準を更新する必要があろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空調熱負荷設計法のひとつ、TAC法による熱負荷算定は、気象要素の生起確率に基づく意味合いから簡易設計法として多用されてきた。現状の TAC 法は、要素間の独立性を前提に編まれていることから、結果として、同時生起確率が現実の値から乖離している欠点が旧くから指摘されてきた。上記隘路を解決すべく、複数の気象要素の同時生起確率を厳密に考慮した設計用気象データを生成する方法について提案した。 現在のEA設計用気象データは、日平均気温や日平均エンタルピなど2種類の気象指標を用いた、過酷気象日の観測値から作成された複数の気象タイプのデータである。EA設計用気象データと比較すると、本提案は、複数の気象要素をモデル化するための統計的アプローチであえる。汎用性はより高くなっており、総じて、要素間の依存関係を解析的に内包しないまま気象データを生成するという欠点は、ほぼ解決された。
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Strategy for Future Research Activity |
風速の極値分析と5要素間の相関を含めた年間時刻別気象データの作成は、次の年度に研究する予定である。そのため、多変量時系列モデルの構築、すべての時点の変数間依存性(要素間依存性)、および時点間の依存性(系列間依存性)の分析が必要となる。 年間時刻別気象データは通常、非定常時系列データであり、平均や分散が時間とともに変化するデータである。このようなデータは解析が難しく、信頼性の高い予測を行うためには定常状態に変換する必要がある。その際、STL分解法を用い、年間で3つ気象要素を周期成分(トレンド)と非周期成分(残差)に分解し、これに非周期成分をS-vine(Stationary vine)copulaモデルに基づく多変量時系列として加える。これにり、時刻別の多要素の気象データを生成することが可能となろう。 風速の極値分析と5要素間の相関も次の年度に分析する予定である。時間降水量と風速の観測値は、前の3つの要素(気温、日射量、湿度)と強い相関がない可能性もあるので、まず降水量と風速を極値統計に基づいて個別に分析する。そのうえで、要素間の相関の解明を試みる。明らかな相関が見られない場合は、降水量と風速をそれらの年間分布特性に基づき、前に生成された年間気象データに追加し、5 要素を含む年間気象データを作成する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)