Project/Area Number |
23KJ1842
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
上林 恵太 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | モーフィング翼 / コンプライアント機構 / トポロジー最適化 / レベルセット法 |
Outline of Research at the Start |
環境と協働して性能を向上させるモーフィング翼構造の実現を目指す.従来の航空機の翼に比べ,モーフィング翼はその形状自体を滑らか連続的に変形させることで,空力性能の向上を実現する.しかしながら,この翼構造は,変形するために柔軟でありたいが,飛行中に気流から受ける力に耐えなければならないといった,両立が困難な要求に応える必要がある.ここで,気流によって「変形させられないように」だけを考えると構造としてのコストは増大してしまう.そこで本研究では,「変形させられてもいいように」との発想から,気流との相互作用の結果として空力性能を向上させるモーフィング翼構造を,計算機を用いた数理設計により明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度前半は,コンプライアントモーフィング翼型の有限変形を考慮した最適設計を行うため,有限変形解析と,数値不安定を回避し,かつ,構造を厳密に表現するための手法とを併せて統合するトポロジー最適設計を提案した.まず,コンプライアントモーフィング翼型の有限変形に伴う幾何学非線形を考慮し構造解析の定式化を行った.そして,数値不安定を回避し,かつ,構造を厳密に表現できる手法を,メッシュアダプテーション法を応用することで提案した.これらの有限変形解析と提案構造表現手法を併せてトポロジー最適設計へと組み入れた最適化アルゴリズムを構築し,既定目標形状達成を考えたコンプライアントモーフィング翼型の最適設計問題に対する設計解を求めた.数値計算例を通して,提案構造表現手法により有限変形解析の失敗に陥らずに最適設計解を求めることができ,変形挙動・構造表現のどちらの精度も向上させたトポロジー最適化が可能となった. 本年度後半には,変形した後の空力性能を考慮したコンプライアントモーフィング翼型の最適設計を行うため,空力パネル法と構造有限要素法とを組み合わせた弱連成モデルに基づくトポロジー最適設計を提案した.そこでは,構造から空力への一方向作用のみを仮定し,空力・構造複合問題に基づく設計感度を導出した.それから,空力性能と構造性能を同時に考慮した適設計問題の定式化を行い,数値計算例を通して,コンプライアントモーフィング翼型の最適解候補群を求め,空力性能と構造性能とのトレードオフ関係を確認した.この成果により,空力と構造との両観点から優れたコンプライアントモーフィング翼型を得るために,変形後翼型の空力性能とその変形を実現する内部機構の構造性能とを同時に最適化する設計手法の基礎的確立ができた.本研究課題で目的とする「空力荷重の変動をも利用できる新たな設計法の確立」に向けた土台作りが完了した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度当初の研究実施計画とは多少内容を変更しているが,最終目標に着実に近づいているため. 年度前半には,コンプライアントモーフィング翼型の変形に伴う幾何学非線形を考慮できる新しいトポロジー最適化法を開発することができた. 年度後半には,空力と構造の両性能を同時に最適化できる,空気力学と構造力学との異分野を複合する最適設計手法を開発し,最終目標達成に向けての基礎構築が完了したといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
最終目標は,気流の中で変形するコンプライアントモーフィング翼型に対して,空力と構造との両性能を最適化できる最適設計手法を構築することである. そこでは,本年度までに考慮できていない,飛行中の空気力による作用の考慮が不可欠であり,このためには計算効率や数値不安定性を考えた取り組みも必要になってくる.また,こうした複雑化する現象の中で,空力構造ともに優れたコンプライアントモーフィング翼型を従来方のみに頼り探索することは困難であるため,設計解探索手法の改良も必要となりうる. 以上の課題を実行することで,静的な空力弾性に基づく空力構造両性能を最適化されたコンプライアントモーフィング翼型を明らかにする.
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