Project/Area Number |
23KJ1857
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 64010:Environmental load and risk assessment-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三枝 峻也 兵庫県立大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | SERS / 電気化学センサ |
Outline of Research at the Start |
生分解性プラスチックの分解メカニズムを詳細に分析するためには、プラスチックを分解している微生物がどのような化学反応を起こしているか、リアルタイムに調べる必要がある。本研究では、高精度に化学反応を操作可能なマイクロ流体デバイスを用いることで、デバイス内で自然環境を再現し、微生物周辺のリアルタイムな観察が可能にする。また、高感度な分子検出手法である表面増強ラマン散乱をデバイス内に組み込むことで、僅かな分解反応も検出可能になり、より詳細な反応過程の分析も実現する。このようなデバイスを開発し、プラスチックの自然環境での分解の再現と微生物の代謝による分子挙動の検出するシステムの実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、任意の環境下での生分解性プラスチックの分解時の分子挙動を、マイクロ流体デバイス内でオペランドSERSを用いて測定を行うシステムの開発を目指している。本研究では、システム自体の作製と性能評価を行った。主にSERS構造のマイクロ流体デバイス内への実装とSERS構造体と電気化学センサの融合である。 マイクロ流体デバイスへの実装はPolydimerthylsiloxaneという樹脂で作製した流路構造とSERS構造を示すガラス基板をプラズマ処理による接合で実現した。SERS構造の製膜にはマグネトロンスパッタリングを用いた。以上の手法で作製したデバイスを用いて4,4’-Bipyridineを試料とした流体中の検出確認を行い、検出感度はLangmuirの吸着等温式に依存することを確認した。 一方、測定場の酸化還元反応を操作するために電気化学センサとの融合も試みた。本実験では、電気化学SERSのデバイスとして作用極にSERS構造を組み込んだ3電極構造を作製した。このデバイスで二つの実験を行った。第一に4メルカプト安息香酸(4-MBA)を付着させることで表面状態の差による反応の変化を測定した。第二に10 mMの酢酸銅(Ⅱ)による酸化還元反応を測定した。実験の結果、第一の実験では、サイクリックボルタンメトリー(CV)上での酸化ピークでは4-MBAの脱離によるラマンピークの消失とCV上での還元ピークでは4-MBAの再付着による新たなラマンピークの出現が確認された。一方で第二の実験ではCV上での還元ピーク後にCuOのラマンピークの出現が確認され、CV上での酸化ピークの近づくにつれてCuOのラマンが消えていった。以上から第一の実験では、分子の脱着を第二の実験では酸化還元反応をリアルタイムに検出することに成功した。 以上のように生分解性プラスチック分析に向けた基礎技術の確立を行った。
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