Project/Area Number |
23KJ1881
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
甘利 悠貴 慶應義塾大学, 自然科学研究教育センター(日吉), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | スキルミオン / トポロジカルソリトン / スピン液晶 / ドメインウォール |
Outline of Research at the Start |
実験的な観測を契機にして、この15年ほど、磁性体中に現れるトポロジカルソリトンの一種である、スキルミオンが精力的に研究されてきた。近年では、“Beyond Skyrmions”というスローガンの下、反強磁性スキルミオンやフェリ磁性スキルミオン、スキルミオンの3次元拡張版である結び目ソリトンなど、凝縮体における様々なトポロジカルソリトンの研究が盛んになってきている。本研究課題では、素粒子論や数理物理の手法を用いて、SU(N)内部自由度をもつ凝縮体に現れる未知なるトポロジカルソリトンの探索とその性質の解明を行い、スキルミオン研究における新たな潮流を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大きな自由度をもつ磁性体・冷却原子系において,新奇なスキルミオンやスキルミオンの派生物を理論的に見出した.スピン軌道相互作用を含んだ3成分スピノール・ボーズハバード模型を考え,その低エネルギー有効模型を導出した.ここで,3成分スピノール・ボーズハバード模型は光格子中の極低温6Li原子などを記述する模型である.その有効模型の基底状態を数値的に探索した結果,CP^2スキルミオン格子やCP^2メロン格子,CP^2スキルミオニウム格子という新奇な状態が系の基底状態として現れることがわかった.接頭語”CP^2”は,有効模型の秩序変数空間を表している.(磁気スキルミオンが従来議論されてきた古典スピン系やスピン1/2の系がもつ秩序変数空間は,CP^1と呼ばれる.) それらの配位では,磁気秩序がないにも関わらずスピン空間の回転対称性が破れた状態,すなわちスピン液晶状態が局所的に実現されている. 加えて,磁壁に閉じ込められたスキルミオン,すなわちドメインウォール・スキルミオンの解析も行った.ドメインウォール・スキルミオンは,スキルミオンの工業的応用への障害の一つであるスキルミオン・ホール効果の影響を受けないため,工業的応用が期待されている.ドメインウォール・スキルミオンを磁性体のミクロな模型に対する数値解析と磁壁上の有効場の理論における解析的・数値的手法を用いて構成した.面外の容易軸異方性がある系では,スキルミオンを閉じ込めた磁壁は曲がり,突起を形成する.また、カイラルソリトン相ではドメインウォール・スキルミオンは不安定で,メロン対に崩壊することを数値的に示した.一方、面内の容易軸異方性がある系では,スキルミオンを閉じ込めた磁壁は真っ直ぐであり,あるパラメータ領域ではスキルミオンを閉じ込めた磁壁の方が単なる磁壁よりエネルギーが低くなることを発見した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に予定していたSU(3)カイラル強磁性体の基底状態の探索をおおむね完了することができた.SU(3)カイラル強磁性体が予想していたよりも多彩な相構造を持つことがわかり,解析に時間がかかってしまったため論文執筆までは至れなかったが,おおむね順調に研究が進展している.さらに,当初予定していなかったドメインウォール・スキルミオンの研究でも,非自明な結果を出すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは,強磁性的なSU(N)カイラル磁性体の基底状態として現れるテクスチャーの研究を行ってきた.今後は,反強磁性的なSU(N)カイラル磁性体に現れるテクスチャーの研究を行う.まずスピン軌道相互作用を含んだSU(N) Hubbard模型を考え,その低エネルギー有効理論を導出する.その有効理論の基底状態として,2次元三角格子では,3副格子構造をもち,各副格子上で異なる性質をもつスキルミオン格子が形成されると予想される.加えて,3次元正方格子では,モノポールやスキルミオンストリング,結び目ソリトンが現れることがホモトピーの観点から予想される.どのような種類の3次元ソリトンが、どのような磁気異方性や結合定数の下で現れるかを調べる. SU(N)磁性体におけるテクスチャーの研究に加えて,ドメインウォール・スキルミオンのダイナミクスも研究する.ダイナミクスの研究は,工業的応用に向けては欠かせないものである.まず,電流によるドメインウォール・スキルミオンの駆動を考える.このとき,電流の向きや大きさによるドメインウォール・スキルミオンの反応の違いを詳細に調べる.また,直流電流以外にも磁場勾配や交流電流をかけたときのドメインウォール・スキルミオンのダイナミクスも工業的応用に向けた重要な問題であるため,時間が許せばこれらにも取り組む.
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