Development of a novel hydrogen sulfide delivery system responsive to the tumor microenvironment and its application to the treatment of refractory cancer
Project/Area Number |
23KJ1888
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 悠斗 慶應義塾大学, 薬学研究科(芝共立), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2024-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 硫化水素 / メトヘモグロビン / 腎障害 / シスプラチン / 担癌マウス / リポソーム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、腫瘍組織への硫化水素送達によるがんに対する新たな治療戦略の構築を目的とし、メトヘモグロビンをリポソームに内包したメトヘモグロビン小胞体に硫化水素を結合させた硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体の作製及び有用性評価を行う。既に作製に成功しているメトヘモグロビン小胞体に硫化水素ナトリウムを混合することで、硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体を作製し、硫化水素放出性を含めた物性評価及び細胞実験による薬効評価を実施する。また、健常マウスを用いた安全性評価及び担癌マウスによる有効性評価を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
硫化水素は抗がん剤による重篤な副作用を減弱させることが報告されており、新たな創薬シーズとして研究が進められている。本研究では、メトヘモグロビンをリポソームで内包した (メトヘモグロビン小胞体) に硫化水素ナトリウムを混合することで硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体を作製し、新たな硫化水素送達体としての有用性を検討した。物性評価において、透過型電子顕微鏡による構造や粒子径などの物理化学特性、さらに製剤特性 (硫化水素の付加量や放出性) を明らかにした。in vivoでの有効性評価では、硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体を投与したシスプラチン誘発性腎障害モデルマウスの腎機能パラメータ (血中尿素窒素、クレアチニン) の上昇及び腎組織形態変化を抑制し、腎保護効果が確認された。また、がん細胞を皮下移植した担癌マウスにシスプラチン及び硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体を併用投与した結果、硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体はシスプラチンによる抗腫瘍効果に影響を及ぼさずに腎保護効果を示した。さらに、健常マウスにおける安全性評価において、硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体の投与は放出される硫化水素による中毒症状やメトヘモグロビン小胞体による臓器毒性を誘発せず、高い生体適合性を備えていた。以上の結果から、硫化水素付加メトヘモグロビン小胞体は新たな硫化水素送達体として抗がん剤の有効性を担保しながらも副作用を減弱させ、高い安全性を備えて利用できる有望な製剤になると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)