Project/Area Number |
23KJ1995
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
千葉 悠斗 明治大学, 研究・知財戦略機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | RNAウイルス / 線虫 / dsRNA / バイローム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、線虫を動物界の生物における生態学的なウイルス研究のモデルとして確立させることを目指す。近年の配列解析技術の発達により、動物と病原性ウイルスを含めた多様なウイルスが共存していることが明らかになってきた。しかし、一部の脊椎動物や昆虫に感染するウイルスを除いて、ウイルスの機能や生態に対する理解は十分ではない。本研究では、ウイルスが動物界の生物の生態に与える影響の解明を大目標に据え、「地球で最も個体数の多い動物、線虫」におけるウイルス研究の基盤を構築することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では線虫を動物における生態学的なウイルス研究のモデルとして確立させることを目指している。初年度である本年度は、線虫培養株からの網羅的なウイルス探索と宿主同定を計画した。そのため、まずは探索対象となる線虫の収集や線虫からのRNAウイルス探索法の確立に取り組んだ。線虫の収集においては国内外の研究機関からすでに確立した培養系統を取り寄せるとともに、野外環境からの線虫の分離培養を試みた。ウイルス探索法の確立においては、FLDS法を線虫試料に適用するにあたり、試料の調整方法などを検討した。FLDS法は高確率でRNAウイルスの完全長ゲノムを取得可能な手法であり、これまで様々な生物試料に適用されてきたが、線虫には適用された例がない。そのため、サンプルの回収方法からサンプル量、また動物試料に特有なrRNAのコンタミネーションを防ぐための操作の要不要など、複数の項目に関して検討を行った。具体的には、線虫(細菌食性・糸状菌食性)のペレットにポジティブコントロールとして糸状菌感染性RNAウイルス由来の核酸を添加した試料を材料に、検討項目に関して条件を振ってFLDS法を行い、それらの条件間で結果を比較した。 本研究において確立した手法を用いて、現在までに線虫60系統からRNAウイルスの探索を行い、14種のRNAウイルス配列を検出した。今後は、検出されたウイルスが本当に線虫に由来するものか、それともコンタミした真菌などに由来するものかを、滅菌した線虫の卵からのウイルスの検出などにより検証する。それと同時に、さらに多くの線虫系統からRNAウイルスの探索を行う。ウイルス探索に供した60系統に加えて、70系統以上の培養系統について培養と回収を終了しているため、これらからウイルスの探索を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度はRNAウイルス探索法の検討を行い、線虫培養系統からRNAウイルスの探索を行った。しかし、当初予定していたよりも探索を行った系統数が少なかったため、やや遅れていると判断した。この理由としては、RNA-seqからFLDS法へとウイルス探索の手法を変更し、従来の想定以上に入念な検討が必要となったことが挙げられる。完全長ゲノムの取得確率が低いというRNA-seqの問題点を克服可能なFLDS法の導入は、ゲノム構造までもを含めた解析を可能とするものである。そのため、ウイルス探索自体にはやや遅れが見られたが、必要な検討であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、線虫培養系統からのRNAウイルスの探索と宿主の同定に取り組む。2024年度中に糸状菌食性線虫、細菌食性線虫合わせて100系統以上からRNAウイルスの探索を行うことを目指す。同時にこれまでに検出されたウイルスも含めて、宿主の同定を行う。具体的には、滅菌して無菌状態にした線虫からRT-PCRによってウイルスを検出する。これにより、検出検出されたウイルスが本当に線虫に由来するものか、それともコンタミした真菌などに由来するものかを検証する。宿主同定が済んだ後は、ウイルス感染・除去法の確立に取り組み、ウイルス感染個体と非感染個体の表現型比較からウイルス感染が線虫に与える影響を明らかにすることを目指す。
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