Project/Area Number |
23KJ2037
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 泰毅 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ナノ多孔体 / かご型ゲルモキサン / かご型シロキサン / 鋳型 |
Outline of Research at the Start |
カゴ状のシロキサン分子を出発物質とし、その連結・集積により所望の無機ナノ構造体を構築する手法が注目されている。しかし、原子レベルで明確に規定された骨格構造の形成は未だ困難である。本研究では、酸化ゲルマニウム分子を鋳型としてシロキサン骨格を構築後、Ge-O-Si, Ge-O-Ge結合のみを選択的に開裂させることで、鋳型の分子構造を明確に反映したシロキサン系無機多孔体の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細孔形成の「鋳型」としてカゴ状酸化ゲルマニウム分子を利用し、明確に規定された細孔構造を有するシロキサン系ナノ多孔体を構築する手法の確立を目指す。本年度は、かご型ゲルモキサンとシロキサンの複合体を作製してから、かご型ゲルモキサンユニットを除去することで、鋳型効果の実証を目指した。 SiMe2CH=CH2基を有する二重四員環(D4R)構造のかご型ゲルモキサン共存下で、頂点にSiMe2H基またはSiMe2CH=CH2基を有するD4R構造のかご型シロキサンのヒドロシリル化を行ったところ、ミクロ孔およびメソ孔を有するナノ構造体の形成したことを窒素吸脱着測定より確認した。次に塩酸とエタノールの混合溶液で処理を行うことでかご型ゲルモキサンを選択的に除去することに成功した。しかしながら、酸処理後の構造体は無孔質であった。ゲルモキサン骨格の除去によりシロキサンネットワークが収縮したことが原因であると考え、1分子あたりの反応点がより多い二重六員環(D6R)構造のかご型シロキサンをお用いて同様の反応を行った。その結果、酸処理後に比表面積は低下したものの、かご型ゲルモキサンのサイズを反映した細孔の形成が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
かご型ゲルモキサンを鋳型として利用する上で、架橋させるシロキサンネットワークの架橋度が重要であることを見出した。この知見に基づくことで、結晶性多孔体を作製するための条件検討にも着手できている。さらに、ヒドロシリル化反応以外の有機架橋反応も検討しており、新規無機-有機ハイブリッド型ナノ多孔体の形成指針も見出している。以上より、本年度の研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
かご型シロキサンとかご型ゲルモキサンが規則的に配列した結晶性骨格を合成し、かご型ゲルモキサンユニットのみを選択的に除去することで結晶性多孔質シリカの形成を目指す。さらに、かご型ゲルモキサンは骨格内にフッ化物イオンを包接しており、骨格外の有機アンモニウムは交換可能であるため、有機アンモニウムの種類に応じた細孔径や細孔構造の調整も目指す。
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