Project/Area Number |
23KJ2050
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 61040:Soft computing-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大澤 慶彦 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シロアリ / レヴィ歩行 / 1/fゆらぎ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、シロアリをモデルにし、パラメータ調整がなくとも頑健な性質をもつセルオートマトン(CA)を開発するものである。計算モデルであるCAには、システムにおいて大域的な情報が共有されるという前提に由来して、外乱に弱くパラメータ調節が必要であるという課題がある。一方で現実の生物は、局所的な情報だけで不定な環境でも安定した挙動を実現することができる。本研究は、社会性をもつシロアリの歩行パターンをCAに応用することで、CAの課題を解決する。まず、シロアリの観察実験を通して歩行パターンをモデル化し、次にその性質を満たすようなCAを開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
具体的内容:シロアリは外的な刺激を与えられた場合に挙動を変化させることが先行研究によって明らかになっていたが、具体的にどのように変化するのかについては調査されていなかった。そこで本課題では歩行パターンに注目し、沖縄県にてシロアリを採取して観察実験を行った。具体的には、振動を刺激として用いて、シロアリの個体と群れを撮影し、歩行の軌道をコンピュータでトラッキングすることで、歩行パターンの特徴と変化を調べた。結果として、刺激を与える前後で一貫する性質と変化する性質を発見した。シロアリが刺激を受けると個体間の距離を縮め、群れとしてのまとまりを強くにもかかわらず、その歩行パターンはレヴィ歩行と1/fゆらぎを常に示し、刺激に対して頑健であった。 意義:今回発見された生物の群れのこのような性質は、不定な環境で安定した計算を行うセルオートマトンの開発において意義がある。群れは外的な摂動・ノイズを与えられる前からゆらぎをもっており、そのことによって外的な摂動・ノイズに対して頑健性を示す。安定した挙動にゆらぎが含まれているという描像は従来の古典的計算機と異なる、本課題の基軸である。 重要性:頑健なセルオートマトンを開発する上で、このような生物の群れの構造と、その特徴となる指標は重要であり、今回の発見によってその指標が得られたといえる。今後はこの指標にそってセルオートマトンの開発およびシロアリとの対応づけを行っていく。課題の遂行において、実験実施計画での順序が前後したため、次年度にて調整する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題の遂行において、実験実施計画での順序が前後したため、セルオートマトンの開発については遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
刺激の種類や実験室の環境などに改善点が見つかったため、次年度にも再度シロアリの観察実験を行う予定である。コンピュータ上でのシロアリの挙動のモデル化は実装中であるが、観察実験にて得られたレヴィ歩行を実現できた。頑健性の向上と、モデルと現実のシロアリとの対応に関しては次年度の課題とする。
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