Project/Area Number |
23KJ2106
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
勝又 栄政 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2024: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | トランスジェンダー / 性同一性障害 / 性別不合 / 親子研究 / 生活史 / 性的マイノリティ |
Outline of Research at the Start |
これまで、トランスジェンダーに関する研究は主に当事者に焦点が当てられ、その親が子を受け入れる際にどのような経験をしているのかについては詳細な調査がなされていない。そのため、本調査では生活史調査を通じ、トランスジェンダーの子を持つ親の主観的経験と、その経験をもたらす社会的な背景について明らかにすることを目指す。調査協力者は、トランスジェンダー男性の子を持つ①父親5名/②母親5名、トランスジェンダー女性の子を持つ③父親5名/④母親5名の合計20名である。親同士の差異や共通性を見出す目的から半構造化インタビューを採用し、”トランスジェンダー”を取り巻く家族の実態を4つの視点から映し出すことを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、質的研究として、トランスジェンダーの子を持つ親の葛藤を構成する社会的背景を、親の主観的経験から明らかにすることを目的としている。目的達成のために、下記の親(①トランスジェンダー男性の子を持つ父親、②トランスジェンダー男性の子を持つ母親、③トランスジェンダー女性の子を持つ父親、④トランスジェンダー女性の子を持つ母親)、各5名以上を対象に生活史調査(インタビュー調査)を実施する予定である。主に4タイプの親に分けて調査を進めているため、それぞれに調査実績を述べる。 ①「トランスジェンダー男性の子を持つ父親の調査」:6名の父親へのインタビュー調査が済み、2023年3月にGID(性同一性障害)学会にて学会発表を行った。その後、京都社会学研究会・関西社会問題研究互助会での発表を経て、執筆した論文を『家族社会学研究』へ投稿し、2024年5月頃(第36巻1号)に掲載されることが決定した。 ②「トランスジェンダー男性の子を持つ母親の調査」:7名の母親へインタビュー調査が済み、2023年9月の家族社会学会・2024年3月GI(性別不合)学会で、異なる分析視点から学会発表を行った。現在、2024年度中の論文投稿に向けて、データの分析・執筆を行っている。 ③「トランスジェンダー女性の子を持つ父親の調査」:2名の父親へインタビュー調査が済み、残り3名に対して、2024年9月までにインタビュー調査を実施する予定である。 ④「トランスジェンダー女性の子を持つ母親の調査」:1名の母親へインタビュー調査が済み、残り4名に対して、2024年9月までにインタビュー調査を実施する予定である。 その他、トランスジェンダー・親子研究に関する先行研究の整理を随時進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している背景としては、協力者の皆様に多大なご協力をいただきインタビューデータを着実に収集できているためである。また、論文の執筆についても、幸い学会や研究会のおける発表の機会と大変貴重かつ有意義なご意見をいただく機会に恵まれており、計画通りに執筆作業を進めることができている。加えて、今後の調査協力者の見込みも立っているため、順調に研究を進められている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、前期でインタビュー調査の完遂を目指し、後期はデータの分析および論文の執筆を時間を費やす予定である。具体的には、インタビュー調査については、トランスジェンダー女性の子を持つ親の調査を中心に行う(トランスジェンダー女性の子を持つ父親3名・トランスジェンダー女性の子を持つ母親4名にインタビューを予定している)。加えて、トランスジェンダー男性の子を持つ親についてのインタビュー調査も継続し、最終的には、トランスジェンダーの子を持つ親30名程度を対象とし、考察を行う見込みである。 また、論文については、トランスジェンダー男性の母親の調査に関して、2023年度に家族社会学会・GID学会の学会発表でそれぞれいただいた貴重なご意見や議論を参考にし、論文投稿を目指す予定である。 さらに、トランスジェンダー女性の子を持つ父親・母親の調査データと、2023年度までに調査を行ったトランスジェンダー男性の子を持つ父親・母親との差異や共通点を比較分析し、随時、学会で発表を行う予定である。
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