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自己免疫疾患発症を抑制する核内因子AIREによる新奇遺伝子発現調節機構の同定

Research Project

Project/Area Number 23KJ2177
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund
Section国内
Review Section Basic Section 49070:Immunology-related
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

宮尾 貴久  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-04-25 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywords自己免疫疾患 / 胸腺上皮細胞
Outline of Research at the Start

胸腺髄質上皮細胞(mTEC)における核内因子AIRE依存的な組織特異的自己抗原(TSA)の発現は自己免疫疾患の発症抑制のために重要である。mTECの一部のサブセットはAIREを発現するがTSAを発現しないため、このサブセットにおいてAIREがTSA発現の誘導以外の機能を有していることが示唆される。本研究計画ではこのサブセット特異的にAIREを欠損するマウスを作成しAIREの欠損によるTSA発現への影響を評価する。さらに、AIREの機能を明らかにするために、エピジェネティックな修飾に着目し評価する。これにより、これまで見解が一致しなかったAIREによるTSA遺伝子の発現制御機構を解明する。

Outline of Annual Research Achievements

自己免疫疾患を抑制する核内因子AIREによる遺伝子発現調節機構を、胸腺上皮細胞の分化段階ごとのAIREの機能に注目して明らかにする。今年度は下記の二項目について研究を実施した。
①胸腺上皮細胞の各分化段階特異的にAIREを欠損するマウスを作製し、それぞれの分化段階におけるAIREの欠損が遺伝子発現に与える影響を明らかにする。
自身の先行研究の結果は、AIREを発現する胸腺上皮細胞が分化段階の異なる二つのサブセットに分けられること、それぞれでAIREが異なる機能を有していることを示していた。二つのサブセットにおけるAIREの機能を解析するために、それぞれ特異的にAIREを欠損するマウスを作製する。今年度は、ゲノム編集技術により、4種類の遺伝子改変マウスを作出し、交配を進め、必要なマウス系統の樹立を完了させた。胸腺上皮細胞の目的のサブセット特異的にAIREが欠損していることをフローサイトメーター解析により確認した。これにより、それぞれの分化段階におけるAIREの欠損が遺伝子発現に与える影響を明らかにする準備が完了した。
②AIREによる遺伝子発現誘導に染色体テリトリーの再編集を伴うかを明らかにする。
胸腺上皮細胞は分化段階の進行に伴い遺伝子発現プロファイルが大きく変動し、成熟した胸腺上皮細胞は全身の様々な臓器の細胞が特異的に発現する抗原をAIRE依存的に異所的に発現する。したがって、胸腺上皮細胞の分化段階の進行および、AIREによる遺伝発現制御が染色体テリトリーの再編集を伴うことが示唆される。そこで、各染色体全体を特異的にラベルするプローブを用いたFISH解析を行う。今年度は、胸腺上皮細胞を用いたFISH解析により染色体テリトリーを評価できるかを確かめた。各実験ステップの条件検討を行うことで、胸腺内に0.1%程度しか存在しない胸腺上皮細胞各サブセットを用いたFISH解析方法を確立した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

①本研究課題の遂行に必要な遺伝子改変マウス系統の樹立を完了させた。
本研究課題の遂行には、3種類の遺伝子改変をもつマウス系統を4系統必要である。また、新たに4種類の遺伝子改変マウスを作出する必要があった。現在までに、全ての遺伝子改変マウスの作出およびマウス系統の樹立を完了させた。
②胸腺上皮細胞における染色体テリトリー解析方法の確立
本研究課題では、胸腺上皮細胞の分化段階の進行に伴う染色体テリトリーの再構成および、その制御におけるAIREの役割を解析する。そのためにFISH法による解析を行う。胸腺上皮細胞は、マウス1匹から単離できる細胞数が少ない(十数万個)、体外で培養することができないなどの問題があり、FISH法による染色体テリトリーの評価は困難であった。そこで23年度は、胸腺上皮細胞を用いたFISH解析方法の確立に取り組んだ。通常、FISH法による解析は、スライドガラス上で細胞を培養することで、細胞をガラス表面に接着し、標本を作製する。本研究課題の遂行のために、体外で培養できない胸腺上皮細胞でもPoly-L-Lysineコーティングしたガラス上に接着可能なことを確認した。また、少ない細胞数(2万個程度)でも解析可能な方法を確立した。

Strategy for Future Research Activity

①胸腺上皮細胞の各分化段階特異的なAIREの欠損が、AIREによる遺伝子発現制御に与える影響の解析。樹立が完了した系統のマウス胸腺から、胸腺上皮細胞の各細胞サブセットを単離し、遺伝子発現をRNAシークエンス解析により遺伝子発現プロファイルを評価することで、各分化段階におけるAIREの欠損が、遺伝子発現に与える影響を調べる。
②AIREによる遺伝子発現制御機構を、各分化段階におけるAIREの機能に着目して解析する。胸腺上皮細胞の各分化段階特異的AIRE欠損マウスから胸腺上皮細胞の各細胞サブセットを単離し、AIREによるヒストン修飾の制御(ChIP解析)、クロマチンアクセスビリティの制御(ATAC-seq解析)、染色体テリトリーの制御(FISH解析)に焦点を当てて解析する。
③胸腺上皮細胞の各分化段階特異的なAIREの欠損による遺伝子発現プロファイルの変化が胸腺機能に与える影響の解析。AIREの欠損による胸腺上皮細胞における自己抗原の発現障害は、胸腺における自己応答性T細胞の除去を阻害する可能性がある。胸腺で成熟したT細胞のレパトアを解析することで、胸腺機能の障害を評価する。
④胸腺上皮細胞の各分化段階特異的なAIREの欠損が自己免疫疾患を引き起こすかを明らかにする。各分化段階特異的AIRE欠損マウスを長期間(26週または52週)飼育し、自己免疫疾患を発症するかを、各組織へのリンパ球浸潤、血中に検出される自己組織に対する抗体を指標に評価する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-26   Modified: 2024-12-25  

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