Project/Area Number |
23KJ2190
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63020:Radiation influence-related
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
松野 悠介 国立研究開発法人国立がん研究センター, ゲノム安定性制御研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ゲノム不安定性 / 放射線 / クロマチン / クローン進化 |
Outline of Research at the Start |
殆どのがんは、ゲノム不安定性を伴って発症している。申請者のこれまでの解析から、「ゲノム不安定性導入を介して変異細胞のクローン進化が誘導される」ことが示された。しかし、どのようにゲノム不安定性リスクが高い細胞状態が形成、制御されているのかは明確でない。そこで本研究では、がん化をドライブするクローン進化のリスク要因となる“ゲノム不安定性リスクが高いクロマチン状態”を特定し、その制御機構の解明と、制御技術の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
殆どのがんは、ゲノム不安定性(染色体不安定性:CIN、またはマイクロサテライト不安定性:MSI)を伴って発症している。これまでの解析から、「ゲノム不安定性導入を介して変異細胞のクローン進化が誘導される」ことが示された。しかし、どのようにゲノム不安定性リスクが高い状態が形成、制御されているのかは明確でない。本研究では、がん化をドライブするクローン進化のリスク要因となる“ゲノム不安定性リスクが高いクロマチン状態”を特定し、その制御機構の解明と、制御技術の創出を目指している。 本年は、クロマチン状態とゲノム不安定性リスクの関係解析を中心に研究を実施した。ゲノム不安定性リスクが高い細胞状態の特徴を明確にするため、高リスク状態の細胞(“放射線照射を受けた細胞”、“増殖刺激した老化細胞”など)と低リスクの細胞(“放射線照射を受けていない細胞”、“血清飢餓により複製ストレスを抑制した細胞”など)について比較解析を試みた。これまでの研究から、『高リスク状態は複製ストレスに伴って誘導される』ことを鑑み、ヒストン修飾の免疫蛍光染色を実施し、高リスク状態に関与する候補因子を探索した。その結果、ゲノム不安定性のリスク状態に対して転写制御に関わる複数のヒストン修飾が関係を示す結果が得られた。さらに、これらの因子に注目してChIP-seqを実施し、リスク状態との関係や特徴を解析した。その結果、ゲノム上の転写制御に関わる領域において差異が生じることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、(1)放射線で誘導される“高リスク状態”に特徴的なクロマチン状態を明確にすること、(2)“高リスク状態”の形成機構について明確にすること、(3)“リスク状態”の制御技術の創出、を目的としている。本年度は(1)について解析が進行していること、(2)についても解析系の準備を整えたことから、研究は概ね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ゲノム不安定性のリスク状態に対して転写制御に関わる複数のヒストン修飾の関与が示唆された。来年度は、これらのヒストン修飾の制御機構や、複製ストレスへの影響解析を計画している。ゲノム不安定性の“高リスク状態”の誘導機構を明確にするため、細胞の老化や、放射線によるDNA損傷応答に伴う、クロマチン状態の変化過程を解析する。特に、本年度見出されたヒストン修飾やヘテロクロマチンタンパク質に注目して解析する。さらに、これらのクロマチン状態を制御する因子(ヒストン修飾酵素の関与が予想される)を、ノックダウンやノックアウト、酵素活性の阻害等により検証、同定し、クロマチン状態の制御機構を明確にする。
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