Project/Area Number |
23KJ2208
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
福家 真理那 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 4D-flowMRI / Cardiac load / Energy loss |
Outline of Research at the Start |
本研究は、心疾患の発症予防にて、高齢化が加速的に進行する本邦の医療・介護問題の深刻化を防ぎ、生命予後の改善、健康寿命延伸に寄与することを最終目標としている。 心疾患は、不可逆的な機能破綻や形態変化後に症状やイベントが出現することが多いため、予防するには、早期の異常を捉える診断技術が必要になる。近年、心臓の形態変化が生じる遥か前に出現する左室内の血流動態の変化を可視化及び定量化が可能になった。しかし、この技術は臨床分野での使用が多く、健康科学への応用は進んでいない。 したがって本研究は、最新の磁気共鳴画像解析技術を利用し、左室内血流動態への加齢と運動の影響を解明することで、最終目標の達成に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、心臓と密接に関係する大動脈の評価を行った。大動脈入力インピーダンスの結果を含めて心内血流動態を評価することで、全身循環に対する心臓の働きを包括的に解明することができ、本研究のインパクトを高めることにつながるからである。大動脈入力インピーダンスの評価のためには、MR撮像と大動脈圧の同時測定が必要であり、同時測定が可能な施設は数少ないが、本年度の実験において受入研究所で評価を可能にすることができた。本研究の結果は、長期間の持久系運動の鍛錬により、心臓が一回で多くの血液を駆出することが可能になるためには、血管側の適応も同時に起きることが重要であることを示した。運動が心仕事の効率性に与える影響を評価するには心臓だけでなく全身循環を評価することが必要であると考えられる。さらに、若年者においても運動習慣が心臓機能へ著しい影響を与えていることが明らかになり、心内血流動態も変化をもたらしている可能性を確認した。これらの成果を国際学術誌Journal of Applied Physiologyに発表した。さらに本年度は、心臓についての見識を深めるためにアメリカテキサス州の研究所(Institute for Exercise and Environmental Medicine)へ3カ月間出張した。実験への参加や、海外の研究者たちとの議論を重ねる中で得た見識は、本研究の結果を解釈する上で非常に役に立つものであると確信している。以上のことから本年度は計画していた以上の成果を得ることができた。来年度から、新たな実験を始めさらに成果を出すことを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては申請書の課題をさらに強化にすることを目的とした国際共同研究(3カ月間の出張)を経て、本課題の見直しが必要な点や追加しなければならない点を発見した。本年度行った検討は、本実験において始めて用いるMRIに関してMRIプロトコル構成の役に立った。また、その成果として、国際誌に1本掲載し、おおむね順調に進んでいると考えられる。 本実験の方は、撮像プロトコル、実験の対象者への声掛け、実験開始の計画に関してはすでに完了している。あとは数回の予備実験と詳細なプロトコルを詰めるだけである。2年度目から実験が開始し、年度末には本課題の1つ目の成果発表をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書の計画とは順序が逆になるが、運動習慣の影響を先に検討する予定である。また、本年度に着目した大動脈の機能も含めて評価することで、さらに生理学的に強固なエビデンスを提示することができると期待している。挑戦課題としていたMRI撮像中の運動負荷にも、本実験で行う予定である。 現時点ですでに、対象者への声掛けや撮像準備が終わっているため、予備実験からはじめすべての準備が整い次第実験開始する。さらに、運動習慣の有無に関する実験が半分進捗したら、次の課題である年齢の影響を検討する予定である。年齢の影響を検討する際には、先に明らかにされている年齢に強く影響を受けるその他の生理学的因子も同時に評価し、心臓の効率性だけを観察するのではなく、全身循環の向上性を維持する心臓の役割もしっかり念頭に置いたうえで検討を進めたいと考えている。そのため当初の計画よりも、測定項目が追加する予定である。
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