データ駆動型アプローチに基づく沈み込む海洋プレートの含水化プロセスの検証
Project/Area Number |
23KJ2219
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
赤松 祐哉 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | マントル / 蛇紋岩化 / 炭酸塩化 / 岩石物性 / 沈み込み帯 |
Outline of Research at the Start |
沈み込み帯で起こる地震活動や物質循環は,沈み込みに伴って海洋プレートに取り込まれる水と密接に関連している.海洋プレートを構成するかんらん岩が水と反応すると,地震波速度や電気比抵抗など様々な岩石の物性が大きく変化する.本研究は,データの背後に潜む本質的なプロセスを抽出するデータ駆動型アプローチを駆使して,様々な程度に含水化したかんらん岩試料を用いて測定されたこれらの物性データから,含水化した海洋プレートの物性モデルを構築する.構築されたモデルを用いて,実際の海洋観測される地球物理データを解析することで,沈み込む水の量や分布に対して,物質科学的知見に基づいた新たな制約を与える.
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Outline of Annual Research Achievements |
沈み込み帯で起こる地震活動や炭素などの物質循環を理解するためには、地震波速度や電気比抵抗などの地球物理観測値から、マントルかんらん岩に水が取り込まれるプロセス(蛇紋岩化・炭酸塩化)を定量的に評価する必要がある。しかし、蛇紋岩化や炭酸塩化は、岩石の破壊と流体の移動および化学反応が相互作用しながら進行する複雑な物理化学的現象であるため、単一の岩石物理特性から一連の変質プロセスを理解することは困難であった。そこで本研究は、オマーンオフィオライト掘削計画で採取された変質かんらん岩試料の物理特性データを用いた独立成分分析を行い、マントルかんらん岩の変質(蛇紋岩化・炭酸塩化)に伴う物理特性の変化を定量的に評価した。独立成分分析は多変量解析の一種であり、多次元データから本質的な低次元空間を抽出することができる。独立成分分析を用いた従来の研究では、化学組成などの地球化学データが主な対象であった。本研究は、独立成分分析が岩石の物理特性データに対しても有効であることを実証し、岩石の物理的特性のみからマントルの変質のような化学的なプロセスを抽出することができることを示した。これにより、地球物理観測データからマントルの変質プロセスおよび取り込まれた水の総量を定量的に評価できる可能性が示唆された。同様の手法を沈み込み帯における実際の観測データに適用することで、地球内部に水が取り込まれるプロセスの理解につながると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和6年度に実施予定であった物性データを用いたデータ駆動解析を完了し、その成果を学術論文として国際誌に投稿することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、マントルかんらん岩の変質物理モデルの構築に取り組む。成果は順次、学会発表や投稿論文として公表し、研究内容の向上に努める。また、地球物理観測を専門とする研究者との議論を開始する。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)