Project/Area Number |
23KJ2221
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
蒲原 宏実 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | メタン / methanotroph / Mycobacterium / アンモニア |
Outline of Research at the Start |
メタンは強温室効果ガスであることから、メタン削減は人類が解決すべき重要課題の一つである。一方で、エネルギー資源であるメタンは、その生成メカニズムを理解することで、持続可能な社会の形成に繋がる。このメタンの消費と生成には微生物が関与しているが、その微生物や反応については未知な部分が多い。そこで本研究では、これまでに見落とされてきたメタンサイクルに関与する微生物をリアクターで集積培養、微生物の分離や遺伝子解析を通じて新規メタンサイクルを提案することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
メタンは強温室効果ガスの一つであり、現在では地球温暖化抑制の観点からメタン削減の重要性が国際的に認識されている。メタンのサイクルには微生物が関与しているおり、メタンに関与する新規微生物および未知の反応を解明することは持続可能な社会を形成する上で重要である。本研究では、これまでに分離されてこなかったMycobacteriumに属する新規メタン酸化細菌の分離培養に成功した。分離株の培養条件を検討し、幅広いアンモニウム濃度条件、pH条件で生育することが分かった。さらに、ゲノム決定によって、メタン酸化細菌に特徴的な遺伝子を保有することを確認することができ、この分離株が可溶性のモノオキシゲナーゼでメタンを酸化し、RuMP経路によって炭素固定を行うことが推察された。この分離株の特徴として、高濃度アンモニア環境でも生育できる点が挙げられる。既知のメタン酸化細菌がアンモニア存在下においてメタンモノオキシゲナーゼでアンモニアをヒドロキシルアミンに変換し、hao遺伝子にコードされているヒドロキシルアミン酸化還元酵素によってヒドロキシルアミンを解毒するが、本分離株は既知のhao遺伝子を保有していないことは、ゲノム情報から分かっている。 また、新規メタン酸化細菌の探索のために海底サンプルを採取し、バイオリアクターの運転も開始している。当初、メタン酸化が確認されなかったため、微量元素や窒素源を検討することで、目的の反応が観察されるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規メタン酸化細菌のゲノムを決定することができ、その特徴を把握できた。しかし、増殖速度が遅いため、菌体回収に時間がかかることと、Mycobacterium属に特有な細胞壁の厚さからDNA抽出効率が低かったことで、シーケンスに必要なDNAを得るまでに時間がかかってしまい、遺伝子発現解析が実施できていないため。また、新規にリアクターを立ち上げることはできたが、反応が確認されるまでに時間がかかり、遺伝子解析が進められなかったことから、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
分離株のアンモニア耐性機構を遺伝子発現解析や酵素学の観点から調査する。また、リアクターの培養物に対してメタゲノム解析を実施し、新規メタン酸化細菌の存在を確認し、分離培養実験を進める。
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