Project/Area Number |
23KJ2240
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 50010:Tumor biology-related
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
趙 民知 公益財団法人がん研究会, がん研究所 実験病理部, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2024-01-04 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | がん幹細胞 / 染色体不安定性 / 異数性 |
Outline of Research at the Start |
染色体のコピー数(プロイディ)の変化は、多くのがん細胞で見られる特徴である。しかし、こういった染色体構造変化がどのようにがんの発生や進展に関連するのかについては、未だに明確になっていない。本研究では、「プロイディを変化しながら増殖する」がん幹細胞を用いて、ゲノム学的解析を行い、細胞増殖性に関連する染色体構造変化とその意義を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
高い細胞増殖能を獲得したがん細胞は、細胞分裂期における染色体分配制御の破綻を特徴とする「染色体不安定性(Chromosomal Instability: CIN)」により、異数体となったさまざまな核型を持った細胞集団を形成する。しかし、「CINがいかにがん細胞の悪性化形質に関与するのか」未だによく分かっていない。 これまで、さまざまな核型をもった異数体細胞の集団であるがん幹細胞(Glioma Stem Cells; GSCs)を単クローン化して核型の違いで、GSCと同様な核型分布をしてしたGSC種似グループ、二倍体のグループ、多倍体のグループの3つのグループに分類した。これらのクローンを用いた予備実験で、「核型が異なるクローンは、CINの程度や細胞増殖速度が異なっている」ことを見出している。 本研究では、「細胞増殖性と関連する染色体構造変化を明らかにする」ことを目指し、2023年度には、がん幹細胞のクローンの特徴的な染色体構造変化を明らかにするため、Karyo-seq解析を実施した。その結果、複数の異数性が高いクローンで、染色体18番と19番が3本に増えている細胞の割合が優位に増加していることが分かり、これらの染色体がトリソミーになることが、異数体細胞の増殖を有利にしている可能性が示唆された。 次いで、核型の違いで誘導されるがん幹細胞のクロマチン高次構造変化を調べるため、Tn5トランスポゼーズのアクセス性を評価するATAC(Assay for Transposase-Accessible Chromatin)-seq実施した。また、各クローンのトランスクリプトーム解析を行い、ゲノム情報と合わせた、遺伝子発現プロファイル情報を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、がん幹細胞由来のクローンにおいて、Karyo-seqとATAC-seqを実施し、その解析を進めている。本研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、今年度に得られた結果を合わせて、染色体構造変化により構成されるクロマチン高次構造と、細胞増殖性に関与する遺伝子発現との関連を明らかにするともに、超解像技法顕微鏡でクロマチン高次構造を可視化し、細胞核内の染色体構造の解析法を検討する。
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