Project/Area Number |
23KK0012
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
木川 りか 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 課長 (40261119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 典子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 室長 (20311160)
渡辺 祐基 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, 研究員 (20825583)
倉島 玲央 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 研究員 (40807492)
桑原 有寿子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 研究員 (50784039)
和泉田 絢子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部博物館科学課, アソシエイトフェロー (20885149)
一宮 八重 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 助手 (40832613)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 日本絵画 / 色材 / 光褪色 / オンラインソフト / 染料 |
Outline of Research at the Start |
日本美術の国指定品の絵画等では、年間に4~8週間以内の展示制限が定められているが、海外では数か月から1年ほど作品の展示替えをしない場合もある。このような慣習の違いから国際的な展覧会の際、展示期間を巡って平行線となることもある。日本美術の展示制限について海外から科学的根拠を求められることは多々あるが、現状では明確な科学的説明が難しい状況にある。本研究では、カナダ保存研究所と共同で日本絵画に用いられる染料等の光褪色プロセスを厳密に調査し、成果を論文、オープンアクセスデータで公開するとともにオンラインソフトとして公開し、海外での日本美術の適正な展示条件の設定、今後の積極的な活用に資することをめざす。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本美術の国指定品の絵画等では、年間に4~8週間以内の展示制限が定められているが、海外では数か月から1年ほど作品の展示替えをしない場合もある。このような慣習の違いから国際的な展覧会では展示期間を巡って議論が平行線となることもある。日本美術の展示制限について海外から科学的根拠を求められることは多々あるが、現状では明確な科学的説明が難しい状況にある。 本研究では、カナダ保存研究所と共同で日本絵画に用いられる染料等の光褪色プロセスを厳密に調査して、海外での日本美術の適正な展示条件の設定に活用する。 今年度は、近世までの肉筆日本画および木版画で使用された可能性のある染料等の色材について、何を試験片として使用するか、まずオンライン会議を実施した。また、カナダ保存研究所(Canadian Conservation Institute: CCI)の共同研究者、Eric Hagan氏を2024年1月に日本へ招聘して研究協議を行った。協議の結果、12種類の染料(臙脂、コチニール、蘇芳、紅花、日本茜、藤黄、黄檗、ウコン、藍、ベロ藍、青花、日本紫)について、染料のみの彩色片のほか、胡粉と混ぜたもの、鉛白と混ぜたものについても、彩色片を作製することとなった。また、光褪色試験で照射する光の強さや、照射時間、どの試験から開始するかなど、詳細についても方針の大枠がまとまった。 以上の協議を踏まえ、光照射試験のための彩色片作成の具体的な仕様を決定し、色材の材料を集め、染料を用いた彩色に専門知識を有する技術者に試験片の作製を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外の共同研究者を招聘して、実際に本研究で対象としているような色材が使用された東洋絵画の例を見てもらう機会をもつとともに、本研究において最重要となる色材彩色サンプルの作製について協議を行うことができた。また、彩色片作製の仕様を決定し、色材の材料を集めて作製依頼を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は完成した色材サンプルについて、写真記録や彩色表面の実体顕微鏡写真による撮影等、データを取得したのち、共同研究者の所属するカナダのCCIへサンプルを共有し、光褪色試験を実施する予定である。その際、日本側の若手を中心とした研究グループがCCIを訪問し、議論をしながら実験を進める予定である。
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