Project/Area Number |
23KK0014
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 4:Geography, cultural anthropology, folklore, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 雅人 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30211957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 輝弥 近畿大学, 理工学部, 教授 (70345601)
江 嘉敏 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 特別研究員 (00948078)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 砂漠化 / バイオエアロゾル / 風食 / モンゴル |
Outline of Research at the Start |
世界で唯一遊牧が基幹産業として残っているモンゴル国では、近年の急激な温暖化と乾燥化のなかで、計画経済から市場経済への移行により家畜数が急増、草原の収容力を超え、危機的状況にある。 当地の砂漠化の主要プロセスである風食とダスト・バイオエアロゾル(生物由来微小粒子)発生は表裏一体の現象であり、土地生産性を支える土壌微生物由来のバイオエアロゾルを調べれば、風食量を評価できる。この新しい発想から、本研究は、①風食により舞い上がったバイオエアロゾルの菌叢解析による土地生産性と風食砂漠化の広域的評価手法を開発する、②遊牧生態系-風食モデルを開発し、これを用いて、表層土壌の風食量を再現、将来予測する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2023年10月より開始したため、バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。このため、本格的な調査研究はそれ以降となるが、2023年度には、本研究開始以前に収集した既存データの整理と再解析を行った。具体的な研究実績は以下の3点である。 1土壌断面・植生調査:代表的な植生地域(Bayan Unjuul、Tsogt-Ovooなど)において、これまでに取得した土壌断面・植生調査データを整理した。これをもとに、2024年5月にTsogt-Ovooにおける試料採取地点・方法などについて計画を立てた。 2表層土壌採取:先行研究において、2013年にモンゴルの各植生帯で採取した試料のデータを整理した。それを補完する試料を2024年5月にTsogt-Ovooにおいて採取する計画を立てた。 3土壌菌叢構造解析:2で採取した土壌試料から微生物由来のゲノムDNAを直接抽出し、そのDNAに含まれる分類指標になる遺伝子核酸塩基配列を、超並列シーケンサーを用いて解読したデータについて、バイオインフォマティクス解析(QIIME2)の様々な手法を用いて、菌叢構造を再解析した。 4バイオエアロゾル採取:先行研究において、2014~2019年にTsogt-Ovooにおいて採取した試料のデータを整理した。それを補完する試料を2024年5月にTsogt-Ovooにおいて採取する計画を立てた。 5バイオエアロゾル菌叢構造解析:4で採取した大気粒子試料についても、3と同様に菌叢構造の再解析を行った。ここで、大気中における菌叢の割合に着目し、砂漠化マーカーとなる門の候補を特定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2023年10月より開始したため、バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。このため、本格的な調査研究はそれ以降となるが、2023年度には、本研究開始以前に収集した既存データの整理や再解析を順調に行った。このように、これまでの研究による問題点の洗い出しが終了しているため、2024年度の本格的な調査に向けて準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
バイオエアロゾルが多量に発生する春における現地での試料採取・調査は、2024年5月に予定している。これに先立って、今までに取得した既存データの整理や再解析は終了し、問題点の洗い出しが終了しているため、今年度の試料採取・調査は順調に行われ、そのデータを解析することによって、砂漠化マーカーとなる門の発見や特定につながるものと考える。 2024年5月に調査予定しているTsogt-Ovoo点については、牧が複数回の調査経験があり、熟知しているため、現地調査はスムーズに進むものと考えられ、さらに、同行するモンゴル人共同研究者、ポスドク、日本人学生などの協力を得ながら、効率的・集中的に調査を実施する。
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