Project/Area Number |
23KK0030
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
筒井 義郎 京都文教大学, 総合社会学部, 教授 (50163845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 英司 西南学院大学, 経済学部, 教授 (20368971)
高阪 勇毅 京都経済短期大学, 経営情報学科, 准教授 (60632817)
林 良平 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 講師 (80633544)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 軍事政策 / ナショナリズム / 愛国主義 / 女性 / 宗教 / 軍事リスク / 民主主義 / アンケート調査 / 経済実験 |
Outline of Research at the Start |
経済学においては、期待効用仮説でリスクに対して合理的に向き合う行動を説明し、プロスペクト理論で、その行動からどのように乖離する傾向があるかを予測する。本研究課題は、この経済学の視点から、日本が軍事リスクの高まりにどのように対処すべきかを考察する。本研究の特徴は、長年、軍事リスクの問題に直面してきたイスラエルの3人の研究者とともに研究を進めることである。具体的には、両国においてパネルアンケート調査と経済実験を実施して、人々の軍事リスクの認識および軍事政策に関する意見を集め、ナショナリズムと女性がこの問題に果たす役割に注目して分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年10月7日にハマスがイスラエルに越境攻撃を仕掛け、多数の人質をガザ地区に連れ帰った。イスラエルは直ちにガザ地区を攻撃し、その後、地上攻撃を開始した。このような軍事緊張の高まりは数十年なかったほどの大事件である。この事態に対し、われわれは、この時期に調査を実施することにより、申請時に想定していたより、はるかに貴重な情報を得ることが期待できると判断した。したがって、申請時には、来年度以降に予定していた軍事リスクアンケート調査を直ちに実施することを決定し、イスラエルチームと連日の打ち合わせを続け、アンケート調査を実施した。 一方、日本とイスラエルにおいてすでに実施した軍事リスクに関するアンケート調査結果にもとづく研究については、第1稿が完成した。そこでは、まず、ナショナリズムを「自国が他国より優れていると考えること」と定義し、愛国心を「自分の故郷を愛すること」と定義する。そして、ナショナリズムが強い人ほど攻撃的な軍事政策を支持する傾向があるが、愛国心の強さは、ナショナリズムの程度が同じであれば、攻撃的な軍事政策を支持するかどうかについては関係しないという命題を、実証すべき基本仮説として定立した。調査結果のデータを用いて、①この仮説が、日本・イスラエル両国で成立すること、②しかし、イスラエルにおいては、日本より、この仮説がより強く認められること、さらに、③両国において、女性は攻撃的な軍事政策を支持しない傾向があること、④宗教が攻撃的な軍事政策を支持するかどうかについては、両国において相違があること、などの事実を明らかにした。この論文の結果は、軍事紛争の激化を防ぐためには、ナショナリズムの高まりを抑える手立てが役に立つことを示唆する。この論文は、2024年5月に日本経済学会の研究大会で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
イスラエルとハマスとの軍事衝突という、全く予期しない事態により、本申請課題は、研究を前倒しで実施することとなった。日本・イスラエル両チームの努力により、2023年度内にイスラエルにおけるアンケート調査を前倒しで実施すした。 一方、これまでに実施した調査データを用いた分析については、論文(第1稿)を完成し、日本経済学会で2024年5月に発表することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
ハマスによるイスラエル市民襲撃とイスラエルによるガザ地区への軍事侵攻という予期せぬ事態が発生し、すでに半年が過ぎている。今後、この事態がどのように拡大、もしくは収拾するのかについて、世界のだれも見通せない状況である。この状況下、どのようなタイミングで、どのような情報を収集すべきかを適切に判断することは極めて難しい。おそらく、申請課題の目的の達成のための具体的方策を、次の2点を重視して、修正・策定すべきであると考える。第1に、当面、日本における情報収集よりイスラエルにおける情報収集を優先する、第2に、イスラエルにおける情報収集は、当初計画より前倒しで実施すべきである。イスラエルチーム3人が、戦時体制下にあるため、平時より忙しいようだが、できるだけ連絡を取りつつ、まず、現時点での適切な情報収集に取り組む予定である。
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