Project/Area Number |
23KK0062
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 17:Earth and planetary science and related fields
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
瀬川 高弘 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (90425835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 匠 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (00806432)
甲能 直樹 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, グループ長 (20250136)
森 宙史 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 准教授 (40610837)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2025: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 古代DNA / 絶滅哺乳類 / 環境DNA / 古代環境DNA / 絶滅動物 |
Outline of Research at the Start |
日本列島にはかつて多様な大型哺乳類が生息していたが,多くが更新世末(1.2万年前)までに絶滅し,化石だけでその存在が知られている.国土の大部分が温帯に属する日本において,DNA分析が実施できるだけの高品質な標本の保存数は極めて限られているため,絶滅動物の全容解明には未だほど遠い状況である.本研究では,従来の手法では解析困難であった試料からもDNA情報を取得するために,海外共同研究者が持つ最先端の古代DNA分析技術やゲノム情報解析技術を融合させて研究を推進させ,年代の古い試料からのDNAの高感度分析法やゲノム情報解析技術の開発に取り組む.
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Outline of Annual Research Achievements |
日本列島にはかつて多様な大型哺乳類が生息していたが,多くが更新世末(1.2万年前)までに絶滅し,化石だけでその存在が知られている.更新統産の化石を用いた古代DNA研究は最近国内でもおこなわれるようになったが,それでも化石は産出数が極めて少なく,国土の大部分が温帯に属する日本において,絶滅哺乳類の全容解明には未だほど遠い状況である.本研究では,従来の手法では解析が困難であった試料からもDNA情報を取得するために,海外共同研究者が持つ古代DNA分析技術やゲノム情報解析技術を取り入れて研究を推進させ,年代の古い試料からのDNAの高感度分析法やゲノム情報解析技術の開発に取り組む.初年度においては,海外共同研究機関であるデンマーク・コペンハーゲン大学のカウンターパートと試料採取ならびに解析の進め方,2024年度のスケジュールの詳細を協議し,国際共同研究として新たな古代DNA分析手法の開発に取り組むための課題を整理した.海外共同研究者がこれまでの研究で用いている複数の方法と,申請者らが研究で用いている方法とを比較し,古代試料中の微量DNA分析手法やバイオインフォマティクス解析手法等について共通点と相違点,課題などについてとりまとめ,プロトコールの確立を図った.また,化石標本や堆積物表面に付着した微生物由来のコンタミネーションを極力排除するために,カウンターパートと協力して試料内部からDNAを取得する採取方法を考案し,試料採取をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化石標本や堆積物表面に付着したバクテリアや菌類などの微生物由来のコンタミネーションを極力排除するために,カウンターパートの協力により試料内部からDNAを取得する採取方法を確立した上で,クリーン環境下において試料採取をおこなうことができた.また,古代試料中の微量DNA抽出法の先駆的な改良と,残存量が少ないターゲットのDNAを対象とした更新世DNAデータの解析法の構築等,プロトコールの確立を図った.また,化石試料中の放射性炭素(14C)の残存量を測定して絶対年代の測定をおこない,次年度のゲノム解析をベースとした研究の土台を構築できたことから,研究は順調に進んでいると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は,研究代表者と研究分担者がコペンハーゲン大学に渡航して最新の古代DNA分析技術・知見を習得する計画である.シークエンスした古代メタゲノム配列データに対してスーパーコンピュータで高速に配列類似性検索をおこなうことで大型哺乳類由来の古代DNA配列のみを抽出し,現生の近縁種のゲノム配列データと比較することで近縁種との系統関係を推定する.また化石そのものからだけではなく堆積物の環境DNA分析からも絶滅哺乳類の古代DNA配列を取得し,化石由来と堆積物由来の配列間で比較解析をおこなう予定である.
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