Project/Area Number |
23KK0089
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 27:Chemical engineering and related fields
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 靖正 静岡大学, 工学部, 教授 (50303532)
小林 正樹 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (90312678)
河野 芳海 静岡大学, 工学部, 准教授 (50334959)
渡部 綾 静岡大学, 工学部, 准教授 (80548884)
片山 裕美 八戸工業大学, 工学部, 講師 (30823661)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥21,060,000 (Direct Cost: ¥16,200,000、Indirect Cost: ¥4,860,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | CO2削減 / メタネーション / 構造体触媒システム / グリーンハウスガス / CO2資源化 / 合成ガス / 固体炭素 / 社会実装 / ドライリフォーミング / 固体炭素捕集 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、申請者が発見した室温25℃域で高活性+高選択的にCO2からCH4に大量変換できるオートメタン化技術(通常約300℃での作動温度を室温域へ大幅低温化に成功、世界初の技術)を基軸に、日本とタイ国の参画者が保有する、CH4のドライ改質で合成ガス(H2+CO、C1化学産業の原料)を高効率に製造する技術、合成ガスから固体Cを捕集してプロセスの脱炭素化を図る技術、そして高圧条件下のFischer-Tropsch(FT)反応で合成ガスから合成燃料を製造する技術を融合した反応システムの開発である。各技術とも熱交換と原料処理の革新化を図ることができる構造体触媒システムを採用して構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、温室効果ガスであるCO2を含んだ工業排ガスを触媒変換プロセスによって処理し、資源となるCH4や合成ガスを製造し、そして合成ガスから固体炭素を連続的に捕集するCCU型触媒反応プロセスを構築するものである。COP26で我国が宣言した、CO2排出量の削減目標に貢献する触媒プロセスの開拓が目的である。今年度の研究推進によって以下の成果を得た。 1.メタン化反応における使用H2量の削減を目的に、H2/CO2比の変化がメタン化活性に及ぼす影響を調査した。その結果、化学量論比4から下げることで当然にCO2転化率は低下するもののCO2/CH4比は大きくなり、ドライ改質用の反応ガスとしては好ましい組成となることを示した。この結果は、メタン化反応とドライ改質反応の組み合わせシステムの利点であることを示唆する。 2.反応温度の変化によるメタン化反応とドライ改質反応に及ぼすH2/CO2比の影響を調査し、連結プロセスの観点から、メタン化:200℃とドライ改質:700℃の組み合わせが適することが判断された。 3.構築した連結型反応プロセスを使い、CO2を出発源として固体Cの捕集と合成ガスの製造を連続的に実施することに成功した。このことは、産業プロセス排出ガスのそのまま処理で、固体Cと合成ガス製造を可能にすることを示唆する。 4.捕集された固体Cは捕集場の入口部分に密に析出し、シート状形状を有することがわかった。これまでのファイバー状固体Cとは異なる、新しい形状の炭素が採取された。 5.構築プロセスによるCO2からC+CO+CH4への物質変換率はH2/CO2の比に影響されず、ほぼ80~90%であり、工業的な有用性が実証された。その有用性をエクセルギーで評価したところ、メタン化で一度エクセルギーが低下するが、ドライ改質と固体C捕集でプラスのエクセルギーになることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
日本国側の研究開発は当初の予定スケジュール以上に進展し,タイ国側との協議も円滑に進んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
日本側グループの研究指針は,構築したメタン化反応+ドライ改質反応+固体C捕集の連結型触媒反応プロセスの各反応工程に係わるプロセス強化について、以下の項目について研究を推進する。また、タイ国側グループの研究指針はこれまでの推進展開を進める。そして、両国の研究グループの情報交流の活発化を図るために、実験サイトビジットの回数を増やしてより密接な連携性を図る。 1.メタン化反応(第一段階)で使用するH2量を削減することを目的に、H2濃度の変化(両論数を基準)がメタン変換特性に及ぼす影響を調査する。加えて、この変化が全体プロセスに及ぼす影響を検討する。 2.第一段階での操作条件の変化がドライ改質特性(第二段階)に及ぼす影響を調査する。構造体触媒の改質特性はもとより、触媒寿命や炭素析出耐性の観点を中心に、物性情報も集積して学理的な理論面から検討する。 3.固体C捕集プロセス(第三段階)について、上記の反応ガス濃度の条件変化が捕集状況に及ぼす影響を調査する。また、捕集Cの物性測定を行ない、その電子材などへの利用について検討する。 4.本プロセス内の各反応場で使用する構造体触媒システムの利点について、数値シミュレーションによる検討を中心に、通常の触媒充填システムと比較した学理的な調査を実施する。 5.1~4の結果をもとに、産業プロセス排出CO2ガスを処理する連結型反応プロセスのさらなるブラシュアップを図る。また、熱力学的な指標値(エクセルギーなど)によるプロセスの利点や欠点、また社会実装化を図るための課題点などのリストアップを図る。
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