Project/Area Number |
23KK0104
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 36:Inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, and related fields
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
是津 信行 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (10432519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 大輔 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (70633832)
清水 雅裕 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90780601)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,800,000 (Direct Cost: ¥16,000,000、Indirect Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2026: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / 複合アニオン / 固液界面 / 吸着 / リチウムイオン二次電 / 界面 / ニューラルネットワークポテンシャル / ダイナミクス |
Outline of Research at the Start |
リチウムイオン電池の限界性能の実現を阻む損失の多くは固体電解質界面層であり,その構造制御技術の開発は極めて重要である。本研究では,複合アニオン化により,溶媒和イオンや電解液分子の特異吸着や吸着配向を制御し,所望の組成や厚さ,多孔質構造をもつ固体電解質界面層形成プロトコルを構築する。国際連携先の保有するオペランドマルチフィジックス計測技術により,未踏開拓領域であった,電場が印加された動的過程におけるイオン交換反応ダイナミクスと固体電解質界面層形成過程の理解を深めることで,従リチウムイオン電池の限界性能突破に資する固液電気化学相界面設計の指導原理の獲得を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
モンペリエ大学で実施した,オペランドATR-FT-IR測定により,F-置換により,LiNi0.8Co0.1Mn0.1O2(NCM)電極と電解液界面におけるイオン交換反応が高速化されることがわかった。また,高い充電率条件において見られる電解液の酸化分解反応も,顕著に抑制されることを明らかにした。 次に,F-置換量の異なるFx-NCMを対象に,電極と電解液界面反応の起点となる,電解液の吸着構造変化に注力した。1MのLiPF6を含むEC-DMC混合電解液に浸漬した状態で,ATR-FT-IRスペクトルを測定した。興味深いことに,リチウムイオンと配位していない DMCの振動スペクトルのみ, F置換による振動スペクトル変化が顕著に見られた。電極表面に吸着したDMCのエーテル基由来の振動ピークは低周波数シフトし,そのシフト量はF置換量に依存した。一方で,カルボニル基の振動エネルギーは高エネルギー化されていることから,F置換により,NCM電極表面におけるDMC分子の吸着構造が変化したことを示唆する。これまでの報告で,DMC分子はリチウムイオンと強く配位するため,一般にはDMCとの脱溶媒和過程が電極界面のイオン交換反応を律速すると言われてきた。DMC分子の吸着構造が変化したことにより,固液界面におけるイオン交換反応が高速化されたと考える。また,電解液分子の分解反応によって生成する分解物の組成や膜質にも影響を与えた可能性が高い。実際に,XPSコアレベルスペクトル測定,電気化学インピーダンス測定,陽電子消滅測定から,電極表面に生成した不働態膜の組成,膜厚,イオン伝導,多孔質構造に大きな変化が見られた。これらの成果は,第64回電池討論会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モンペリエ大学との連携により,F置換によりもたらされる効果の本質に迫る解析ができるようになったことは大きな成果であった。また,電極表面に形成される不働態膜の多孔質構造について,陽電子消滅法による知見が得られた。世界始めての結果であり,従来のガス吸着法では測定できなかった,日貫通孔の解析ができるようになったことの学術的価値は高いといえる。以上より,当初計画通りの取組ができている。一方で,若手研究者の交流という面では,当初予定よりも遅れがでている。当初は,申請者および若手研究者が渡航し,現地での実験を計画していたが,受入担当教員の出産次期と重なったため,オンラインでのミーティング開催と国際便によるサンプルの郵送にとどまった。これらを踏まえ,概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
LiNi0.82Co0.15.Al0.03O2,LiNi0.5Mn1.5O4,NaFe0.4Ni0.3Mn0.3O2,の電極活物質を対象に,F-, Cl-, S2-,をそれぞれ置換した二元系複合アニオン化表面における電解液や添加剤分子の吸着構造,分解反応初期過程の計測,さらにCEI層の多孔質構造の解析に注力し,サイクル特性や入出力特性向上の起源を丹念に調べる。固液界面ダイナミクス解析とCEI層の化学状態分析は,サイクリックボルタンメトリーや電気化学インピーダンス測定,X線光電子分光測定により行う。電極表面における電解液分子等の吸着構造解析はATR-FTIRスペクトル測定やラマンスペクトル測定,CEI層の多孔質構造解析は陽電子消滅寿命測定により行う。カーボネート系を中心とする分子構造(特に電子供与性官能基)や添加剤,リチウム塩の対アニオンの影響を調べる。この課題では,表面活性の高いNCM811正極と,5V動作するLiNi0.5Mn1.5O4正極をモデル電極とする。さらに,当初計画通り,夏季休暇等の長期休暇期間を中心に,本研究に参画する若手研究者と博士課程進学予定の学生をモンペリエ大学に派遣する。Prof. N. Louvainの指導のもと,オペランドマルチフィジックス計測により,電解液の分解反応初期過程における分解生成物の同定と固液界面におけるイオン交換反応ダイナミクス計測に注力する。
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