Project/Area Number |
23KK0145
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 51:Brain sciences and related fields
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川嵜 圭祐 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60511178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊村 知子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00552423)
江川 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (80648527)
劉 南希 新潟大学, 医歯学系, 特任助教 (90971698)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥21,060,000 (Direct Cost: ¥16,200,000、Indirect Cost: ¥4,860,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 心の理論 / 自発的誤信念課題 / 発達生理学 / 発達心理学 / 脳波 / 社会認知発達 |
Outline of Research at the Start |
ヒトは、他人も自分と同じように、意図、信念、欲求といった“心”をもつ存在である、と 認識できる。この認知能力は、「心の理論」と 呼ばれ、ヒトが高度な社会を形成するために必須であると考えられている。本研究課題では、米国エモリー国立霊長類研究所との国際共同研究を行い幼体サルを用いて、行動学的、神経科学的なアプローチで、「心の理論」の発達過程の神経メカニズムの解明に取り組む。またこの発達過程を成体サル、成人自閉症スペクトラム群、ヒト乳幼児と直接比較することで統合的に理解を進める。
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Outline of Annual Research Achievements |
エモリー大での実験は、生後2.4週齢から11.4週齢までの子ザル計12頭に対し、モニターに誤信念誘導動画を呈示しながら、眼球運動を計測して自発的誤信念テストを行なった。幼若期のサルを注意持続時間は短いのが大きな問題となったが、zoom等で相談を重ねて、改良を重ねてデータを取得した。テスト環境の最適化によって、ビデオシステムによって眼球運動を記録して、定量的に解析することができるようになった。同一のテスト動画を用いて得られた成体サルや成人の結果に比べて全体的な注視時間が短いことがわかった。 また脳波の記録システムもついて、エモリー大と新潟大で並行して準備を進めた。エモリー大では、より現状の子ザルに近い頭部非固定のシステムを立ち上げ、予備的な記録を行なった。新潟ではより従来の電気生理学実験に近く、体動ノイズ等が入りにくい頭部固定システムで立ち上げを進めた。これまでに独自に開発作成した頭部固定デバイスに、8chの脳波電極を埋め込んだ新型頭部固定デバイスを作成した。 新潟の精神科教室では、ASD群からの自発的誤信念課題を実施した。成人の対象群からの実験をそれに先行して実施した。その結果、定型発達で見られた、心の理理認知に基づく予期的な注視行動や、反応速度の差が、ASD群では見られないこと、また視線行動と反応速度はASDの判別に関して独立した情報を持つことが示唆された。これらの一部は日本神経科学大会で発表する予定である。 日本女子大学では、当初の予定に従い幼児からの脳波記録システムの立ち上げを進めたが、設備の問題等からセットアップが困難であることが判明した。そこで、計画を変更して幼児の脳波記録は新潟で行う予定に変更した。日本女子大学では幼児の心理実験について準備を進めた。新潟では、新たに脳波計を設置できるように実験システムを拡張した。また新潟で幼児の被験者を確保するための整備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エモリー大学での12頭の子ザルで心理実験が行い、予定以上のペースで進展した。また成人ASD群の実験についても20名から心理実験を行い、予定以上の進展があった。また、脳波計測システムにおいても予備的な記録を行うことができた。小児でで実験や成体ザルの実験は、予想外の状況もあり、準備にやや時間がかかった。全体としては概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
エモリー大での子ザルの実験については、これまでの実験結果からフィードバックを得て、動画を行なって心理実験を進める。同時に脳波システムを確立して、課題中の脳波について検討を進める。zoom等、オンラインで相談しながらセットアップを進め、最終的には、現地に赴いて、十分な信号品質が得られていることを確認する予定である。 新潟大での成体サルプロジェクトについては、脳波記録システムを確立して課題遂行中の脳波について検討を進める。同じく新潟大で実施している成人ASDの行動解析については学会での発表を行い、プレレジストリー論文として発表を目指す。また成人ASDと定型発達小児における脳波記録のセットアップを進めて記録を開始する。 東京女子大では、3-5歳児での心理実験(行動解析)を進める。
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