Photoproduction of radicals and their effects on carbon dynamics in tropical lakes
Project/Area Number |
23KK0191
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉村 千洋 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (10402091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 一弘 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (20391104)
千賀 有希子 東邦大学, 理学部, 准教授 (30434210)
大石 若菜 東北大学, 工学研究科, 助教 (90965849)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2026: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 熱帯湖沼 / 溶存有機物 / ラジカル / 光化学反応 / 炭素動態 / フリーラジカル |
Outline of Research at the Start |
熱帯湖沼の表層では日射強度が高く、溶存有機物(DOM)の光増感剤としての作用が強いと推測されている。本研究は熱帯湖沼における主要なラジカルの光生成過程およびそれらの炭素動態おける役割を解明することを目的とする。インドネシア、カンボジア、日本の湖沼表層における各ラジカルの光生成プロセスを共同実験により定量評価した上で、ラジカルに起因する湖沼の炭素動態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
熱帯湖沼では溶存有機物(DOM)の光増感剤としての作用(量子収率)が強いことが推測されている。本研究は熱帯湖沼における主要なラジカルの光生成過程およびその炭素動態おける役割を解明することを目的として、インドネシア、カンボジア、日本の湖沼表層における各ラジカルの光生成プロセスを共同研究により定量評価した上で、ラジカルに起因する湖沼の炭素動態を解明する。 今年度(10月からの半年間)は、インドネシアおよびカンボジアの共同研究者とキックオフ会合および合同ゼミを開催し、本国際連携研究の連携基盤を構築すると同時に、約3年間の連携体制や調査・実験の枠組みを具体化した。その上で、2023年11月および2024年3月に日本側メンバーが、インドネシア国立研究開発機構(BRIN)、スマトラ工科大学、カンボジア工科大学を訪問し、本共同研究の背景や検証する仮説を共有し、双方の実験設備の状況を踏まえて、今後の調査と実験の計画を策定した。また、渡航時には必要となる分析装置の整備を支援し、合計9の湖沼において水質調査と採水を行った。そして、その分析や実験を各研究機関で開始しており、日本側でも国内の湖沼やダム湖の試料水を対象として、DOMの光化学特性やその光化学反応を調べる実験を開始した。 現時点ではまとまった知見は得られていないが、データや結果を蓄積している段階であり、1)DOM特性、2)ラジカル生成能、3)温室効果ガスの生成、4)水質改善効果に関する気候区分ごとの特徴を来年度以降に解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本共同研究は、日本、インドネシア、カンボジアの各国の研究者がワーキンググループを構成し、インドネシア国立研究開発機構とカンボジア工科大学との共同研究として実施している。研究項目は1)溶存有機物(DOM)特性、2)ラジカル生成能、3)温室効果ガスの生成、4)光化学反応による水質改善効果とし、研究項目間で日本、インドネシア、カンボジアの湖沼・湿地帯の試料水を共有して、温帯域と熱帯域の水域表層における物質動態の特徴を明らかにする。そのために、前半の2年間は、日本側が主導する調査や実験などを海外共同研究者が補助する形で共同研究を始め、後半1.5年間は3カ国の研究者がそれぞれ実験研究を進め、結果を比較することで最新の知見を得る。 今年度(10月からの半年間)は、インドネシアおよびカンボジアの共同研究者とキックオフ会合および合同ゼミを開催し、本国際連携研究の連携基盤を構築すると同時に、約3年間の連携体制や調査・実験の枠組みを具体化した。その上で、2023年11月および2024年3月に日本側メンバーが、インドネシア国立研究開発機構(BRIN)、スマトラ工科大学、カンボジア工科大学を訪問し、本共同研究の背景や検証する仮説を共有し、双方の実験設備の状況を踏まえて、今後の調査と実験の計画を策定した。また、渡航時には合計9の湖沼において水質調査と採水を行い、その分析や実験を各研究機関で開始しており、日本側でも国内の湖沼やダム湖の試料水を対象として、DOMの光化学特性やその光化学反応を調べる実験を開始した。さらに、日本側メンバーが、本テーマの仮説や関連する成果を3件の国際会議において研究発表を行った。 以上より、本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本共同研究は前述のように調査・実験・データ解析などを順調に開始しており、今年度以降も当初の計画通り進める。 研究対象水域は各国の自然湖沼、洪水氾濫原湖沼、人工湖(ダム湖)、酸性池・ラグーンとし、主な作業は試料採取、その分析、光化学実験、データ解析、モデル改良となる。そのために、インドネシアおよびカンボジアの共同研究機関に光化学反応装置を導入予定としている(2024年度)。前半の2年間は、日本側が主導する調査や実験などを海外共同研究者が補助する形で共同研究を始め、後半1.5年間は3カ国の研究者がそれぞれ自立して実験研究を進め、結果を比較することで最新の知見を得る。 全試料水を対象として、pH、無機イオン、溶存有機炭素濃度を測定した上で、分子量分画を組み合わせて紫外可視吸光スペクトルおよび蛍光スペクトルを測定し、これらの結果から20以上の光学特性指標を算出し、データベース化する。その上、ラジカルの光生成過程を光化学反応装置を用いて定量評価し、各ラジカルの量子収率を水質の光学的特性に基づきモデル化する。また、主に日本側の実験室において、ガスの生成速度およびウイルスの不活化速度を調べることで、温室効果ガスの生成過程や水質改善効果に対するDOMの光学特性や量子収率の影響を解明する。 また、国内および全体での研究会を定期的に開催し、インドネシアやカンボジアにて合同実験を行うことで本共同研究を円滑に進める。そして、国際学術誌と国内外の学会において研究成果を発表する。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)