Latitudinal differences of methane emission from lakes -from tropical to temperate-
Project/Area Number |
23KK0194
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Research Category |
Fund for the Promotion of Joint International Research (International Collaborative Research)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 63:Environmental analyses and evaluation and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 雅之 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70456820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 拓記 信州大学, 学術研究院理学系, 准教授 (10466659)
奥田 昇 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (30380281)
尾坂 兼一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (30455266)
浦井 暖史 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (90967176)
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Project Period (FY) |
2023-09-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥20,930,000 (Direct Cost: ¥16,100,000、Indirect Cost: ¥4,830,000)
Fiscal Year 2025: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | メタン / 湖沼 / 熱帯 / 亜熱帯 / 温帯 / 温暖化 / 緯度間比較 |
Outline of Research at the Start |
陸域湖沼のメタン動態の解明は全球のメタン収支推定の精緻化に不可欠である。 本研究は、熱帯から温帯の湖沼におけるメタン関連微生物群集と高精度のガス動態観測により、それぞれの湖のメタン収支と湖からのメタン放出の地理的分布を解明する。湖沼のメタン放出量の正確な推定と気候変動予測精度の改善に繋がることが学術的貢献となる。 現在、湖沼のメタン動態の研究のうち、熱帯や亜熱帯など低緯度地域の観測データの不足が課題となっている。本研究では、熱帯から温帯に至る水深の異なる湖沼において、微生物生態学や生物地球化学・微気象学的手法を併せた観測の結果を融合することで、メタン放出の時空間変動要因を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
フィリピンの各カウンターパートとの間で国際共同研究に関する契約手続きを進めた。フィリピンの火山湖での溶存酸素・水温・メタン濃度プロファイルの季節変化についての観測と微生物動態解析を現地カウンターパートの博士課程大学院生が進めており、その成果をまとめている。台湾に関しては、水中の脱窒とメタン酸化に関わる細菌に関する調査を進めた。 国内のため池などの観測サイトに関しては、栄養塩やクロロフィル濃度などメタン生成・酸化に影響する環境要因を含めて観測を行い、メタン濃度の季節変動を明らかにする調査を進めた。諏訪湖については、これまでの7年間のメタン放出データを取りまとめ,その経年変化が水生植物繁茂面積と関係していることを明らかにするとともに、水生植物の根からの堆積物への炭素供給がメタン放出の年変動に関係している可能性を示した。藍藻・珪藻・水生植物を添加した堆積物ではメタン生成速度が有意に増加することを示した。また、メタン生成菌やメタン酸化菌を中心とする微生物群集について、微生物バイオマスや活性について定量的な評価を進めており、湖底堆積物中では比較的浅い深度でメタン生成菌が大量かつ活発に存在していることを示した。琵琶湖周辺の8内湖における溶存メタン濃度の季節変動をまとめ、水草の有無が内湖の溶存酸素濃度および溶存メタン濃度に影響を与えている可能性を示した。また琵琶湖では成層期に中層で顕著にメタン濃度が低く、活発なメタン酸化が起こっている可能性が明らかになった。これら国内外の研究成果について、国内外の学会や国際誌への発表を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィリピンに関しては、現地カウンターパートとの共同研究契約が2024年4月にも締結される見込みであり、今後、現地調査などを共同で進めることが可能になる。すでにサント・トーマス大学の大学院生が火山湖のメタン濃度プロファイルとその変動要因に関する調査を行い、その結果が蓄積されつつある。その結果を博士課程論文として取りまとめるとともに、国際誌への投稿を進めている。 台湾については、これまで現地カウンターパートと協力して得てきた長期間のデータセットの整理を進めており、今後このデータセットをもとに10年~15年程度の温暖化傾向が、湖水中のメタン濃度にどのような影響を及ぼしているかについて検討を進める。 ため池に関しては、水質とメタン濃度の季節変化と、それらの関係性について明らかにすることを目的として精力的な観測を行っている。諏訪湖のメタン放出や気象・湖内環境の連続観測は最大限欠測の無いように実施しており、季節変化や年々変動を明らかにするデータの取得ができている。水生植物による有機物生産に関わる湖と大気との間の二酸化炭素交換の評価も進めている。クロロフィルa濃度の測定は湖心に加えて沿岸帯でも継続的に実施した。諏訪湖全域を対象とした湖水採取を行い、溶存無機炭素に含まれるメタン由来の炭素の割合を算出するために放射性炭素測定を進めている。また、諏訪湖をはじめ様々なサイトで微生物群集解析を行うための遺伝子解析施設の整備を信州大学を中心に進めている。 琵琶湖や琵琶湖周辺内湖における溶存メタン濃度の時空間分布観測を開始した、現在は水中のメタン酸化速度測定の準備と有害物質である塩化水銀を使用しない溶存メタンサンプルの保存法の開発と確認を進めている。 これらの成果について、次年度以降国内外の学会での発表を進め、国際誌への論文投稿を一層加速させる。
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Strategy for Future Research Activity |
フィリピン及び台湾では、現地協力機関との密接な情報交換のもと、引き続き現地観測を進める。また微生物群衆解析に精通した分担者が現地カウンターパートと議論し、分析手法などについて助言する形で研究を進める。これにより、現地で微生物解析までを完結することができる体制づくりを進める。 諏訪湖やため池など国内の観測については、メタン放出および二酸化炭素交換を新たに開始するとともに、既存のデータについてはデータの欠測補間を行い、季節単位や年単位での放出量の変動の解析を実施する。ため池に関してはこれまで蓄積してきた溶存態炭素・窒素濃度などの水質データを解析することにより、その季節変化とメタン動態に及ぼす影響を明らかにする。諏訪湖については酸素が微量に存在する浅い湖の湖底を再現するような培養実験を実施し、実際の現場の状況でのメタンと二酸化炭素の生成を評価する。メタン放出の経年変化に関して論文にまとめる予定である。諏訪湖や琵琶湖などから湖底堆積物や複数深度での湖水を採取し、各試料に含まれるメタン生成菌や微生物群集解析に取り組む。また、諏訪湖をモデルとしたメタンの湖水中での酸化率の解析を進める。 琵琶湖、琵琶湖周辺内湖における溶存メタン濃度測定を継続すると共に、湖底堆積物のメタン生成ポテンシャルや琵琶湖の湖水中メタン酸化速度、メタンフラックスの測定を行い、湖沼からのメタン放出を制御している要因についてさらに解析を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(24 results)
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[Presentation] Responses of Methanogenesis in Eutrophic Lake Sediment to Different Autochthonous Organic Matter Additions2023
Author(s)
Yang, C. J., Iwata, H., Park, H.-D., Miyabara, Y., Urai, A., Itoh, M., Takano, Y.
Organizer
AsiaFlux 2023 Workshop
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[Presentation] Seven-year variability in methane release from a shallow eutrophic lake in Japan2023
Author(s)
Yamada, M., Iwata, H., Miyabara, Y., Park, H.-D., Ito, M., Hirata, R., Takahashi, Y., Sawano, K.
Organizer
AsiaFlux 2023 Workshop
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Int'l Joint Research
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