Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
アデノ随伴ウイルス(AAV)等によりほ乳類モデル動物の成体の脳へ効率よく遺伝子導入が可能であるが、鳥類の成体ではこのような遺伝子導入法が確立していない。鳥類で見いだされたアデノ随伴ウイルス(A3V)をベースとした組換えウイルスベクターの鳥類の神経系への遺伝子導入について解析を行った。従来よりほ乳類の神経細胞への遺伝子導入に用いられるAAV2型(AAV2)およびレンチウイルスベクター(LV)と比較して、A3Vはニワトリおよびキンカチョウの神経細胞に対して最も高い遺伝子導入効果を認めた。さらにA3Vをニワトリヒナの脳へ注入したところ、24時間以内に遺伝子発現が認められた。他のウイルスベクターと比較して遺伝子発現が早いことから、ダイナミックに変化する生後発達期の神経制御機構の研究にも有効と考えられる。