Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
基盤研究(S)の課題が採択によって本研究が廃止されるまでの間に、実験装置のセットアップが終了し、実験を開始することができた。すでに、単一ニューロンへのプラスミド注入技術に関する実証実験が終了し、現在、論文を執筆中である。また、ラットに「go/no-go」課題を行わせるための装置をセットアップし、訓練のプロトコルを確立した。以上が本研究のこれまでの成果である。本研究の当初の目的は、実行系機能(=自分が取りうる行動の結果を予測しながら行動の計画をたて、衝動的な欲求を抑制しながら、その計画を実行していく能力)の背景にある脳内メカニズムを、神経回路の構成と働きによって理解することであった。そのために、独自開発の〈動物の行動中に活動を記録した単一神経細胞やそれとシナプスを形成する神経細胞に、遺伝子導入によって蛍光タンパク質を発現させ、標識する技術〉をはじめ、様々な最新技術を駆使して、ワーキングメモリ、反応抑制、文脈依存的行動選択、という実行系の重要な機能要素に関係した脳内現象を、個々の神経細胞の活動と神経回路の構成、および、そこに作用する神経伝達物質のレベルで、多角的・包括的に調べるための実験を行う予定であった。これらの研究計画の内容は、新たに採択された基盤(S)の研究のなかで実行していく予定である。
All 2012
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)
Journal of Neuroscience
Volume: 32 Issue: 45 Pages: 16031-16039
10.1523/jneurosci.2278-12.2012
Perception
Volume: 41 Pages: 517-531