エピジェネチックな因子反応を応用したナノマテリアルの次世代影響評価法構築
Project/Area Number |
24350077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Partial Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藏崎 正明 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教 (80161727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 健 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (40153811)
田中 俊逸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (30142194)
奥野 勉 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 人間工学・リスク管理研究グループ, 部長 (90332395)
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (40310099)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2013: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2012: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 微量化学物質評価 / サーチュイン / ナノマテリアル / 影響評価法 / 次世代影響 / DNAメチレーション / エピジェネティック / 細胞培養 |
Research Abstract |
近年ナノマテリアルが抗菌効果等を目的に食品および化粧品に多く用いられるようになってきている。ナノマテリアルの生体に及ぼす影響は、主として生体内酸化ストレス増大によるものと報告されてきたが、その詳細な機構については不明であり、かつ次世代に及ぼす影響としては評価されてこなかった。一方、抗酸化作用と寿命延長に作用するサーチュインファミリーおよびエピジェネチックな因子との関わりが近年注目されて来ている。我々は、ナノマテリアルの酸化ストレス産生の機構の解明を行ない、その成果をもとに、ナノマテリアルの妊娠期ラットへの投与実験を併せ、サーチュイン因子及びエピジェネチックな因子を用いたナノマテリアルの次世代への影響評価が行なえるとの新しい着想を得、本研究の目的とした。 本年度はまず、ナノマテリアルに抗菌剤として用いられるナノ銀粒子を選択し、細胞に投与し毒性をみてみたところ、5 ppbあたりから細胞生残率が有意に低下した。この生残率低下細胞からDNAを抽出して調べてみたところアポトーシスを誘導していることが確かめられた。また、アポトーシスを緩和する物質を探索したところ、カテキン及びレスベラトロール等の投与により細胞生残率が回復し、アポトーシス誘導に抑制がかかることが観察された。このアポトーシス制御において中心的な役割を果たす酵素「SIRT群」およびDNAメチレーション酵素群遺伝子のプライマーを作成し、正常細胞でその発現量を測定できること、レスベラトロール投与によりサーチュイン因子発現が有意に増大する事、およびDNAメチレーション酵素群遺伝子の発現量が定量化できること等を確かめた。また、新規購入したUV照射装置を用いて、PC12細胞およびヒト正常皮膚角化細胞を用いて、250,270,290および310nm波長照射によるそれぞれのLD50照射量を求め、さらに0~24時間範囲内でのUV照射後の細胞生残率とピリミジンダイマー生成量の変化を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規購入したキセノンランプ光源装置(UV照射装置)により、細胞内のDNA損傷マーカーであるピリミジンダイマーがUV照射で生成され、その量が免疫抗体法により定量化が可能なこと等が確かめられ、次年度以降の研究進展に大きく見通しが立った。併せてナノ物質であるナノ銀粒子によりアポトーシスが起き、それが抗酸化物質により軽減する傾向が確かめ、またサーチュイン遺伝子等の定量化に目途が立ったこと等大きな成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ物質投与によるエピジェネチックな因子等の変化を中心に研究を進める。併せてUV照射による酸素毒性亢進にナノ物質がどのように対応していくかをピリミジンダイマー生成量を指標に見究め、ナノ物質と抗酸化剤との相互作用的な機構についても研究を進める。またこの機構に関与すると思われるエピジェネチックな因子の変化を次年度に調べるための契機としたい。また、3年目から予定している動物実験のための予備実験を始めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サーチュインおよびエピジェネチックな因子遺伝子発現の定量化にはリアルタイムPCRを用いて行なうが、リアルタイムPCR用キットは高額(1キット10万円見当)なため、次年度に潤沢に使えるように節約して財源を確保した。次年度はこのキット使用に合わせてウェスタン用の高額消耗品を用いて研究を進展させる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)