生体分子の構造と光応答の相関に対する非断熱遷移動力学法によるアプローチ
Project/Area Number |
24550021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 俊正 京都大学, 福井謙一記念研究センター, 准教授 (50212890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 伸孝 上智大学, 理工学部, 教授 (00249955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2014: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2012: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | ロドプシン / 光異性化 / 反応動力学 / シミュレーション / インドリルマレイミド |
Research Abstract |
生体分子では、小さな構造の違いが大きな刺激応答の違いになって現れてくることがある。たとえば、ロドプシンとイソロドプシンとでは、クロモファオであるレチナール分子が11-cisであるか9-cisであるかの違いがあるのみであるのに、光応答性が大きく異なる。本研究ではこのような構造の相違による光応答の違いをわれわれの開発してきた、電子状態間の遷移を正確に考慮できるab initio動力学法を用いて解明していくことを目的とする。 すでに、光応答性の違いを反応シミュレーションで再現し、その違いがクロモファアの動力学の違いによることを明らかにしていたが、その違いが、異性化の際にねじれの起こる位置のまわりのタンパク質による立体障害の違いに基づくことを、詳細なシミュレーション結果の解析から明らかにした。 また、静的な反応経路から予測される捩れ運動よりも、実際の運動のほうがおおきくなることがあきらかになった。さらに、WeissとWarshelが提案した、励起状態でcis型とtrans型の構造変化が何度も起こり、trans型へと構造変化するときに励起状態から基底状態へ遷移するとtrans型ができるとするモデルは正しくなく、遷移の際のcis型、trans型への分岐比が重要であることを本研究は示した。 ほかに、インドリルマレイミド誘導体の光異性化のシミュレーションを行い、二価アニオンが発光に関わっていることを明らかにした。 本研究は事情により、1年で終了することになったが、構造-光応答の一般的な描像の確立に向けての一歩を踏み出せたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(20 results)