腎移植拒絶反応におけるHSP90の関与についての研究
Project/Area Number |
24592448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
田中 俊明 札幌医科大学, 医学部, 助教 (50398327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 保明 北海道大学, 大学院先端生命科学研究院, 特任教授 (80322329)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2014: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2012: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 免疫制御・移植免疫 / 腎移植 |
Research Abstract |
腎移植患者血清のHSP90濃度を測定した。急性抗体関連型拒絶反応症例では発症時の血清HSP90濃度は上昇し、拒絶反応治療後に発症前値程度まで低下していた。血管炎を伴うT細胞関連拒絶反応症例でも同様の経過が見られ、血清HSP90濃度は血管内皮細胞を標的とした拒絶反応で特異的に上昇する可能性が示唆された。次に培養血管内皮細胞と、これに特異的な抗HLA IgGおよび補体を添加し補体依存性細胞溶解をおこない、培養上清中のHSP90濃度を測定した。結果、培養上清中のHSP90濃度の上昇が認められた。このことは、腎移植患者血清においてHSP90濃度が上昇することの機序の一つと考えられた。また、HSP90阻害剤17DMAGの添加により補体依存性細胞融解が抑制されたが、このとき血管内皮細胞表面のHLA class I抗原の発現が抑制されることを明らかにした。抗体関連型拒絶反応の発症にはHSP90が重要な役割を持っており、これを阻害することで発症・進行を抑制する可能性が示唆された。その機序の一つは血管内皮細胞の抗原性を低下させることであることを明らかにした。 次に、血管内皮細胞と抗HLA IgGを用いてin vitro抗体関連型拒絶反応モデルを作成した。このIgGの結合により、血管内皮細胞の増殖は促進し、この時、細胞内HSP90が有意に誘導された。17DMAGの添加により、この細胞増殖は抑制された。抗HLA IgGの結合による血管内皮細胞の増殖促進には、HSP90が関与することが明らかとなった。またマウス皮膚移植モデルにて17DMAGの効果を確認した。コントロールと比較し、有意に生着が延長し、移植片への細胞浸潤も有意に低下した。二次皮膚移植モデルにおいても有意に生着期間が延長した。 以上の結果から、HSP90は臓器移植において移植片拒絶反応の診断ツール、および治療標的となりうると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)