乳児の発声にみる音楽の発達的起源:唱和と音楽性の関わりを探る
Project/Area Number |
24700261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 容子 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (60422903)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2013: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 音声 / 発達 / 唱和 / 声の重複 / コミュニケーション / 音楽 |
Research Abstract |
乳児の自発的発声は、必ずしも会話のようにターンテイキングの形をとらず、異なる形式と生態学的な意味を持つ可能性がある。本研究は、コミュニケーションのなかで音楽的な発声が乳児の側から自発するきっかけについて検討をおこなった。特に自発的発声が他者との共鳴を通じて音楽性を帯びていく可能性を調べるため、乳児と他者が互いの声を重ね合う状況に注目し、観察および実験的な検討をおこなった。乳児と他者の発声が重複する状況を「唱和」と操作的に定義して検討をおこなった。 1.自然な乳児・養育者相互行為において「唱和」の生じる様相をとらえるため、乳児のいる家庭で縦断観察をおこなった。月に一度、乳児と養育者との自然な相互行為を撮影し、そのなかで乳児と親あるいは兄姉との発声がどの程度の比率で重なっているか、それぞれ分析した。その結果、生後8ヶ月から生後18ヶ月で重なりの比率そのものは有意に減少したが、その相手が18ヶ月児では多くが幼い兄姉となっていた。この変化から、会話のルールを理解しつつある18ヶ月児が、大人との間では唱和の形式を用いず、主に幼児との間でのみ用いていた可能性が考えられる。 2.18ヶ月児と母親が10分間の自由遊びの中で声を重ねる条件・重ねない条件という二つの実験状況を設定し、各条件における乳児の発声行動を分析した。その結果、声を重ねる条件では反復的な非言語発声が、重ねない条件では言語的発声が多く生じたことが示された。これらの結果は、唱和というコミュニケーションの形式を乳児が認識し、さらにその形式において原初的な音楽性を帯びた音声を発する可能性を示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)