勅撰集写本・古筆切が有するペリテクストの網羅的調査と生成研究

• Project/Area Number: 24720116
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Allocation Type: Multi-year Fund
• Research Field: Japanese literature
• Research Institution: Kobe City College of Technology
• Principal Investigator: 舟見 一哉 神戸市立工業高等専門学校, 一般科, 講師 (80549808)
• Project Period (FY): 2012
• Project Status: Discontinued (Fiscal Year 2012)
• Budget Amount: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000); Fiscal Year 2014: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000); Fiscal Year 2013: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000); Fiscal Year 2012: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
• Keywords: 古今和歌集 / 拾遺和歌集 / 勘物 / 清輔 / 定家 / 証本 / 古筆切 / 二条為忠

Research Abstract

本研究のもっとも大きな成果は「非定家本『拾遺和歌集』について」である。『拾遺集』の伝本のうち、六条藤家の清輔が校訂した清輔本は散逸している。そこで清輔が校訂した『古今集』に有るペリテクストのうち、『拾遺集』との重複を示すものを抽出、歌数を同定し、本文異同についても検討した。その結果、1.散逸した清輔本『拾遺集』は定家本に比べて『古今集』との重複が極めて少ないこと、2.非定家本系統の「異本」と清輔本との関係性は希薄であること、3.伝慈円筆拾遺集切と、復元される清輔本とが関係を有すること、4.定家本『拾遺和歌集』にある「季本」に基づくペリテクストが、散逸した清輔本と深い関係にある六条藤家の証本にもとづくものであり、定家本のペリテクストを調査し直す必要性がある、という四点を指摘した。
ペリテクストに関する研究成果として、4月以降刊行「定家本古今集証本をめぐって(仮)」もある。二条家における『古今和歌集』の証本と、冷泉家における『古今和歌集』の証本を比較し、ペリテクストの多寡と、その用い方の比較から、両家がとった戦術の差異と、証本をめぐる類型行動を明らかにした。
そのほかには、古筆切を調査する過程において気がついた諸点を報告した。第一に「伝公敦筆古今集注切について」では、用字法や書式に着目し、当該古筆切が、これまで孤本であった内閣文庫蔵本の親本そのものである可能性がきわめて高いことを指摘した。第二に「伝為忠筆勅撰集切をめぐって」では、奥書切のある伝為忠筆勅撰集切を中心におき、為忠の奥書を有する完本との関係を踏まえて、為忠の書写活動全体をとらえる試みを行った。
なお、本研究は本来であれば三年間で完成するものであったが、所属機関の変更により初年度で廃止とせざるをえなくなったことを記しておく。

Research Products

• [Journal Article] 伝公敦筆古今集注切について (2012)
  • Author(s): 舟見一哉
  • Journal Title: 池田古筆の会会報 Volume: 2 Pages: 2-4
• [Presentation] 伝為忠筆勅撰集切をめぐって (2013)
  • Author(s): 舟見一哉
  • Organizer: 阪急池田古筆の会
  • Place of Presentation: 逸翁美術館
  • Year and Date: 2013-03-02
• [Presentation] 非定家本『拾遺和歌集』について -勘物を中心に- (2012)
  • Author(s): 舟見一哉
  • Organizer: 和歌文学会 第110回 関西例会
  • Place of Presentation: 大阪大学豊中キャンパス
  • Year and Date: 2012-12-01
• [Presentation] 古筆切概説 -書誌の取り方・活用方法を中心に- (2012)
  • Author(s): 舟見一哉
  • Organizer: 古典籍研究会 再開第1回
  • Place of Presentation: 京都大学文学研究科
  • Year and Date: 2012-09-01