Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成24年度は、大体積位置検出型TlBr検出器の製作と評価を行った。育成したTlBr結晶を3×3×7 mmの大きさに加工し、電極構造をCapacitive Frisch Grid型にした単極性電荷有感型のTlBr検出器を製作した。製作した検出器を-20 °Cに冷却し、陰極に-1200 Vを印加し、陽極、Capacitive Frisch Grid電極を接地した。検出器にCs-137からのガンマ線の照射を行い、スペクトル応答特性の測定を行った。その結果、検出器からは662 keVのガンマ線ピークが明確に得られ、そのピークのエネルギー分解能は4.2%であった。また、さらにエネルギー分解能の向上を図るため、検出器出力波形をその波形形状に応じて分類を行うクラスタリング法の適応を行った。その結果、662 keVの光電ピークのエネルギー分解能が1.7%へと向上した。また、分類に用いるクラスタ数をさらに増加させる事でエネルギー分解能のさらなる向上が可能であることを明らかにした。これにより3×3×7 mmという大体積TlBr検出器において、クラスタリング法を適応することでエネルギーの近いCs-137とCs-134の核種分離が十分可能であることを見出した。平成25年度は、前年度までの開発によって得られた大体積位置検出型TlBr検出器をアレイ化し、さらなる高感度化の実現に向けて検出器アレイからの出力信号の読み出しに必要な多チャンネルデジタイザの構築を行った。リアルタイムでの高速な演算処理を実現するため、FPGAによって検出器からの出力波形の整形、波高値取得を行うプログラムの開発を行った。本プログラムを用いてTlBr検出器出力波形の波形整形・波高値取得のテストを行い、リアルタイムでのガンマ線計測が可能であることを確認した。
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