自己抗体産生に関わる新規濾胞性ヘルパーT細胞の解明と疾患における動態の解析
Project/Area Number |
24790993
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 充 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80529157)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 濾胞性ヘルパーT細胞 / 自己免疫 / 抗核抗体 |
Research Abstract |
マウスを用いた2種類の異なる実験系において、それぞれ自己抗体産生に関与する濾胞性ヘルパーT細胞(T follicular helper cells, TFH)サブセットを同定した。一つは自己反応性T細胞の胸腺における新たな分化経路としてのTFH(natural-TFH)であり、もう一つはリンパ球減少下でリンパ球が生理的に増殖(Lymphopenia-induced Proliferation : HP)する際に分化するTFH(HP-TFH)である。 まず、全てのCD4+T細胞が全身性核内自己抗原に反応し機能的Foxp3を欠くRDBLSfマウス(Rag2-/-×Ldn-OVA×DO11.10×Foxp3sf/sf)を作製し、このマウスに出現するT細胞を解析した。RDBLSfマウスは皮膚以外臓器障害がなくトレランスが維持されており、出現するT細胞はin vivoでanergicであった。従って、本研究により胸腺で自己反応性T細胞が既知のclonal deletionとTreg細胞への分化以外にanergicなT細胞に分化する新規経路が判明した。このT細胞はB細胞とTCR刺激下で共培養するとB細胞のIgG抗体産生を促進し、更にB細胞の存在するTCRα-/-DBLSfマウス(TCRα-/-×Ldn-OVA×DO11.10×Foxp3sf/sf)では血清IgG、IgA、IgE、抗核抗体およびOVA特異的IgGが上昇し、脾臓では本細胞群が存在する胚中心が形成されていた。即ちこのT細胞はTFH(natural-TFHと呼ぶ)であり、本系では自己抗体産生に関与していた。natural-TFHは、自己反応性T細胞由来で、anergicかつ単球や顆粒球機能を抑制するCD200を発現し、胸腺における新規自己反応性回避機構と考えられるが、更に正常もしくは病的過程においてTFH類似機能を有する可能性が示唆された 一方、nudeマウスにBalb/cマウス由来CD4+CD25-T細胞を移入する系を用いて自己抗体産生機序の検討を試みた。その結果、CD4+CD25-T細胞は、lymphopenia-induced proliferation(LIP)を介し、IL-21産生CXCR5-PD1+CD4+T細胞に分化し、胚中心形成とIgG産生亢進、自己抗体産生へと関わっていた。即ちLIPにおいてCXCR5-TFHが分化していることが判明した。またLIPにおいて出現するTFH(LIP-TFH)の分化をTregが抑えていることが判明した。 natural-TFHおよびHP-TFH共に、従来のTFHと比較し、TFHの主要な表面マーカーCXCR5が陰性で、自己抗原により分化する点が異なるが、その他の表面マーカー(PD-1,ICOSなど)や転写因子(Bc1-6など)の発現は従来のTFHと類似していた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)