Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成24年度は臨床研究のみを施行した。慶應義塾大学病院呼吸器外科の肺癌術前症例22人(男/女 17/5)に対して国立がん研究センターで施行されたATSM-PETを解析した。を投与し術式、病理所見、最終病期を調べた。術式に関してはP肺摘除術1例、肺葉切除11例、区域切除3例、部分切除2例、生検のみが5例であった。また腫瘍の組織型に関しては腺癌8例、扁平上皮癌6例、大細胞神経内分泌癌1例、大細胞癌1例、小細胞癌1例、非小細胞癌が3例であった。病理病期はIAが2例、IBが4例、IIAが3例、IIBが2例、IIIAが 5例、IIIBが1例であった。ATSMは低酸素状態を比較的明瞭に反映するため腫瘍の低酸素領域に集積することが予想された。画像のSUV値など具体的な集計は行っていないものの扁平上皮癌では比較的腫瘍の中心に集積を認めこれは病理組織学的にも腫瘍の中心ではおそらく低酸素によるものと思われる壊死を認めていた部位と一致している。腺癌においては比較的高分化である、肺胞上皮置換性に増殖するGGN病変では集積がほとんど見られないものの低分化な腺癌においては集積が認められる傾向にあった。しかし比較的低分化な扁平上皮癌でも集積が非常に低いものもありこれらをどう理解するかは今後の検討課題である。なお当院で2012年3月に発覚した医療倫理違反に関し、本研究はすべての倫理審査を経ており違反事案とは無関係であることは宣言できるが、臨床試験を含めた当科主導の研究は一度すべて中止することとなり、本研究も2年での研究環椎が不可能と判断し中止とする。