Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
上気道のウイルス感染とアレルギー疾患発症の関与を示唆する報告として、小児喘息の易罹患性に関連する遺伝子座17q21にあるORMDL3遺伝子近傍のSNP(一遺伝子多型)が注目されている。アレルギー性鼻炎発症とこのSNPとに相関があることは福井大学の過去のデータで示しており、本研究は、本遺伝子関する機能解析を行う。①ヒト組織におけるORMDL3の高発現組織の選出 ORMDL3は特に炎症反応関連細胞において高いという報告がある。以下の組織での発現情報を収集した結果(鼻粘膜上皮、鼻茸繊維芽細胞、皮膚、末梢リンパ球、小腸、甲状腺、脾臓、骨格筋、気管、肺、肝臓、腎臓、心臓、脳、骨髄)、鼻粘膜上皮で最も多く、次いで肝臓、鼻茸繊維芽細胞、肺、脾臓の順に多く発現していた。②鼻茸由来線維芽細胞において、ORMDL3発現誘導実験 ORMDL3発現を促進する感染性刺激を調べるために以下の刺激を行った結果(polyI:C、LPS、MALP-2の他、すべてのTLR及びCD3、CD23、抗CD40抗体、IL-4、IL-1β、TNFα)、polyI:Cにて発現誘導がみられた。③ラットの肥満細胞株(RBL-2H3)を用いたORMDL3発現誘導実験、脱顆粒実験 polyI:C、LPS、MALP-2刺激の結果、 polyI:Cにより発現誘導がみられた。しかし、polyI:Cによるβヘキソサミニダーゼ活性測定からは脱顆粒の増強はなかった。鼻においてORMDL3の高発現がみられたこと、 polyI:Cによる発現誘導がみられたことからウイルス感染とORMDL3との関連は示唆されたが、肥満細胞からの脱顆粒は生じなかった。
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