Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は、慢性疼痛患者を対象にリラクセーション法を用いた症状コントロールの効果を包括的に明らかにすることである。痛みの強度、発現頻度や痛みに対するイメージ、自己コントロール感など詳細に分析し心身両面からの総合的評価を行い、慢性疼痛の症状コントロールに対するリラクセーション法の有用性を明らかにし、慢性疼痛患者に対する看護ケアとしての確立を目指す。そこで我々は、これまでの関わりからリラクセーション法が疼痛緩和のセルフコントロール法として有用であった事例について検討を行った。継続的リラクセーション法実施により、受診者は自己の状態に気付き、痛みが出現しそうな予感をもってリラクセーション法を実施している。その結果、痛みの増強、発現回避も可能となった。これまでの疼痛ケアの視点からも、慢性の痛みに苦しむ患者においては、自身の痛みを受容することにより症状の軽快が得られることがしばしば経験されており、痛みの消失をゴールとするのではなく、患者が痛みと向き合い、受容することも重要であるという提言がされている。患者が体験している痛みに対し、理解し個別性や価値観に合わせた支援を行う上でリラクセーション法は重要であると考え、慢性疼痛患者の症状コントロールを患者自身が行うセルフコントロールの観点から系統的に評価する必要があると考える。そのためにも今後、患者の痛みの強度、出現頻度などをはじめ、痛みに対するイメージ、自己コントロール感など詳細かつ包括的に分析していく必要があると考える。