Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究では、アセスメントと介入の視点と身体状況と介入経過の関連を明らかにし、介入に必要な具体的な技術を明らかにすることを目的として、研究1:高齢者の食形態を普通食へと回復させるためのケアの方略の抽出、及び、研究2:摂食・嚥下障害を対象とした食形態改善プログラム開発のための事例研究を行った。研究1:5名の研究協力者に、食形態が普通食へ回復した経験についてインタビューを行った。インタビュー内容を分析し、高齢者の食形態を普通食へと回復させるためのケアの方略として14のケアの方略を抽出した。研究2:4名の研究協力者に、食事場面の参加観察と食事場面に関するインタビューを行った。研究1から抽出した14のケアのカテゴリーを参考にしながら参加観察とインタビュー内容を分析した。食形態改善プログラムの時機として、1)普段から行っておくこと、2)食事前の準備、3)食事中の援助、の3つに分けられた。ケアの方略は、1)【クライエントを理解する】【全身状態を整える】【身体機能の向上】【家族との連携】、2)【食べる体勢を整える】【食欲や意欲を引き出す】【食事への準備性を高める】【クライエントの気持ちを理解する】、3)【食形態を調整する】【食事の状況を把握する】【食べることが嫌にならない援助】【クライエントのペースに合わせる】【恥をかかせない】【日常会話を楽しむ】【食べたという満足感を味わってもらう】【援助内容の見直し】【積極的に口腔ケアを行う】【多職種の役割を明確にした連携】の時機に行われていた。普通食を食べることを支援するためには、食べる場面以外での多くの援助が必要であり、出来るだけクライエントの希望や好みに添うことを優先し、クライエントが主役となって食事を行えるよう援助することが重要である。また、身体面だけでなく、精神面や社会面など多方面から「食べる」を援助していくことが重要だと考えられた。
All 2013 Other
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兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要
Volume: 20 Pages: 41-53
40019625535