Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本年度はSi基板上にホイスラー熱電材料を成長させる技術を確立することを目的で研究を行った。当初、分子線エピタキシー法による結晶成長を想定していたが、組成制御の簡便性、材料探索の機動性を鑑み、レーザー分子線エピタキシー法での結晶成長に変更した。本作製方法の利点としては①坩堝からの不純物が少ない、②堆積される膜の組成ズレが起こりにくい、③ソースを交換するだけで短時間に複雑な積層膜を形成可能などが挙げられる。装置の立ち上げに研究期間の半分を要したが、現在は十分に立ち上がっており、超高真空2×10-7Pa以下での堆積が可能となった。また基板清浄プロセスも順調に立ち上げることができた。試験的にホイスラー合金の一種であるFe3Siを堆積したところ、これまでの分子線エピタキシー作製した試料と同等の強磁性体特性(飽和磁化、保磁力、スピン注入効率)を有することも判明した。現在は種々のホイスラー合金の高品質単結晶成長の条件探索を行っている。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。