Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Research Abstract |
生殖組織のCyp19発現細胞特異的にNRG1遺伝子をノックアウト可能なNrg1^<flox/flox>Cyp19-Creを用いて,雌個体で共に産子数が減少するという形質の分子メカニズムの一端を明らかにすることに成功した.雌個体は,平均産子数は有意に低く,卵はM2停止能を欠失していた.しかし,NRG1を欠損している細胞は顆粒層細胞(GC)であること,NRG1の受容体であるErbB2/3は卵には発現していないことから,NRG1の刺激を受けたGCが何らかの因子を分泌し,卵に影響を及ぼしているのではないかと考えられた.通常,田刺激後,排卵までに16時間を要するが,その中から影響を及ぼす時間を特定するために,卵の減数分裂進行速度を観察した.結果,NRG1ノックアウトマウスは,LH刺激2時間で既に減数分裂を再開させていた.これらの結果から,LH刺激後に分泌されるNRG1は,遺伝子発現を介さず,シグナル系で卵に作用している可能性が示唆された. 以上の結果から,シグチル系のハブであるPKA,PKB,PKCの活性を測定したところ,PKC活性が野生型と比較して有意に増加していた.次に体外培養を用いて,PKC上流のCa活性を測定したところ,NRG1存在化で,Caの増加が抑制されていた.このCa→PKC経路は,減数分裂再開を誘起する卵と顆粒層細胞の細胞接着部位に存在する小分子交換タンパクConnexin43(Cx43)の閉鎖を誘起することが知られている.したがって,Cx43の閉鎖を示すリン酸化特異的抗体を用いて野生型とノックアウト型をWestern Blottingによって比較したところ,ノックアウトマウスでリン酸化されたCx43の強いシグナルがえられた.これらの結果からCa→PKC→Cx43閉鎖が卵の減数分裂に及ぼしている可能性が示唆されたため,PKCの抑制剤を投与したマウスで減数分裂速度を観察したところ,NRG1ノックアウトマウスは野生型と同様の進行速度を示した.これらの結果は,既存の卵体外培養家で問題となっていた,減数分裂の早期再開による卵の低発生率の原因一端を解明し,改善が可能になることを示唆している.今後は,家畜卵の体外培養系にNRG1を添加し.その発生率を検討していく.
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