Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
NKT細胞活性化と免疫抑制因子の制御を用いた癌転移に対する新規免疫療法の開発転移性肺瘍モデルを使用し、IDOノックアウトマウスまたはiNOSノックアウトマウスにおけるNKT細胞の特異的なリガンドであるα-ガラクトシルセラミド(GalCer)の抗腫瘍効果の検討を行った。悪性黒色腫細胞株(B16-F10)を経静脈的に投与した後、1週間後にGalCerを投与し、さらに1週間後に肺表面の腫瘍結節数をカウントした。WTマウスでは、GalCerによる抗腫瘍効果(肺表面結節数の減少)は、ほとんど認められなかったが、IDOノックアウトマウスおよびiNOSノックアウトマウスにおいて、肺表面腫瘍結節数の減少が有意に認められた。同様のB16-F10の肺転移モデルにおいて、GalCer投与後の肺組織でのサイトカイン、ケモカインのmRNAの発現をリアルタイムPCR法にて検討した。WT、IDOノックアウトマウス、iNOSノックアウトマウスともにGalCerの投与によりIFN-gやFasリガンドの発現が増加したが、特にIDOノックアウトマウスおよびiNOSノックアウトマウスにおいてその増加は顕著であった。また、各種ケモカインの発現もIDOノックアウトマウスおよびiNOSノックアウトマウスにて増加していた。以上の結果より、本肺転移モデルにおいて、IDOやiNOSの発現を欠損させることによりGlaCerによる抗腫瘍効果は大きくなると考えられた。さらに、IFN-gやFasリガンドの発現が増加していることより、何らかの抗腫瘍免疫が増強していることが示唆された。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。