Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
肝癌発生進展過程において癌幹細胞の存在が示唆されているが、その起源は明らかになっておらず、その由来が骨髄細胞なのか、肝幹細胞なのか、分化した肝細胞なのか不明のままである。本研究では申請者らが新しく樹立した、「肝幹・前駆細胞が恒常的に活性化されている遺伝子改変マウス」を活用し、肝癌発生過程における肝幹・前駆細胞の役割について検討することを目的としている。申請者は、細胞増殖に必要な分子の一つであるDNA damage binding protein1 (DDB1)に着目し、肝細胞特異的にDDB1を欠失するマウス(DDB1F/F;Alb-Cre+/+、以下DDB1マウス)を作成している。このDDB1マウスでは成熟肝細胞の自己増殖が障害され、その結果、肝再生を促進するために肝幹・前駆細胞の強い活性化が生じることを見出した。さらに、48週齢を経過したDDB1マウスには高率に肝癌が自然発生することも明らかとなった。この事実は、本マウスで活性化されている肝幹・前駆細胞が肝組織以外の臓器由来である可能性を強く示唆している。このマウスを用いて、肝癌がどの分化の過程の細胞に由来するのかを明らかにする目的で、GFP Tgマウスの骨髄細胞を単離し、レシピエントのDDB1マウスに骨髄移植を行った。この移植した骨髄細胞がDDB1マウスの肝臓に移行・生着し、肝再生・肝発癌に関与する過程を継時的に検討することが目的である。さらにGFP Tgマウスの肝組織より肝前駆細胞、成熟肝細胞をそれぞれ単離し、経皮的・経門脈的にDDB1マウスに移入した。これらのマウスを継時的に観察を行うことにより、肝腫瘍発生の表現型を確認後、それぞれで発生した肝癌腫瘍細胞におけるGFP陽性率を検討することにより、肝癌の腫瘍細胞が骨髄由来なのか、肝前駆細胞なのか、成熟肝細胞なのかを検証することが可能となる。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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